短編BL
□我慢出来ない
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「…トキヤ…なんでさっきから顔見てくれないの?」
─…!
「…気のせいでしょう…それよりも…」
動揺を悟られないよう、教科書に戻ろうとする。
しかし、音也の手で教科書は閉じられた。
「…教えなくて良いんですか?なら私は勉強に戻りますよ…んっ…!?」
背を向けようとしたところに、音也が唇を重ねてきた。
「っ…なっ…!」
「…俺を見てよ…トキヤのばか…」
頬を染め、切なそうに呟く音也に、いつも以上に自分の中で歯止めが効かなくなっていて。
「…っ…!!」
音也の後頭部に手を回し、強引に引き寄せて唇を奪う。
「っん…トキ…ヤっ…んぅっ…ふっ…ぅ…」
音也は自分で立っていられなくなり、私は立ち上がり音也を支えた。
「っ…我慢してたの…わからなかったんですか…」
吐息が絡み合う近さで、そう言うと。
「…でも…俺が我慢できなかった…」
そんな可愛い言葉が返ってくる。
「…お仕置きです…勉強を邪魔した罰と私の我慢を無下にした…」
私は音也を抱き上げベッドに押し倒す。
「…トキヤのお仕置きなら…いくらでも受ける…」
…あぁ、もうなんでこの人はこんなに可愛いんでしょうか。
こんなにも私を乱す貴方が。
私はこんなにも貴方を。
「愛してる…」
そう言葉が重なり、そして甘く唇が重なった。
─END─