短編裏BL
□マッサージ発情ロボット
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「っ…ぁ…そこっ…」
「…ここ?」
「ぅ、ぁ…藍、強っ…」
「だってここ、かたいし。ここが良いんじゃないの?」
「まっ…っ、ぅ…痛っ…!」
「痛いなら尚更だ。もうちょっと強くするよ」
「なっ…や、っあ、藍、待っ…!」
次の瞬間の俺の悲鳴で、藍は漸く手を止めた。
藍のベッドで伏せていた俺はガバッと起き上がり、いかにも迷惑そうな顔をしている藍に食いついた。
「痛い!痛いから!ちょっとは加減しろって!」
「だってショウが言い始めたんじゃない、マッサージして、って」
「そ、れは…そうだけどっ…さすがに限度ってもんが…」
藍の家で今度出演するドラマの練習をしていたのだが。
何に酷使したのか、肩から背中にかけて妙に凝っていて、それに気付いた藍が色々教えてくれた延長線で俺からマッサージを頼んだのだが…
これが痛いのなんのって…ツボをもろに圧してくるこのロボットはマジで加減を知らない。
ただのマッサージチェアの方がもっと細かく強弱を設定出来るだろってぐらい。
「…まぁ…そうだね…加減、すれば良い訳?」
不満そうな俺を、チラッと見下してはそう尋ねる藍の言葉に俺はこくんと頷いた。
「加減、っつーか…こう、普通で良いんだよ普通で」
「…普通…人間の平均的な握力と力と体重を考慮…それに加えて温かさと…」
何やら機械混じりに話始めた藍は、俺をもう一度藍のベッドにうつ伏せに寝かせ、俺の背中に手を置いた。
「…そして凝っているところ、神経、筋、ツボ…全てを考慮して……うん、ここか…」
「っ…ぅ、ん…!」
さっきよりも抑えたような藍の力が背中越しに感じた。
完全にピンポイントでその場所を押さえるその的確さはさすがロボットとでも言うべきなのだろうか…
異常なまでの気持ち良さに俺はもう何も言えずにただ藍のマッサージに身を任せていた。
「…っ…ん…、ぅ、ぁ…」
「……気持ち良いの?」
黙っていた俺に不安になったのだろうか、確認するように藍はそう問いてきた。
「ぇ…あ、おう…すっげ…気持ちい、ぃ…っん…」
「………そう。」
伏せていた俺は藍の表情が全く見えなくて、でも声の感じからもどんな心境なのかわからない口調だった。
手は止める様子は無いから、不機嫌なわけではないのだろうと思った俺は、とりあえずまた藍のマッサージに身を任せることにした。
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