短編裏BL

□確信犯なんて
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「…んっ、ぅ…はっ…ぁ…レ…イジっ…」

「…ん…どうしたの…アイアイ……」





ボクの部屋で、自分のこんな声が響くのは何だか微妙な気持ちだったが。


レイジのせいだから、仕方ない。



レイジに足を広げられては、彼はいつものようにボクと繋がろうとする。

そんな彼の頬にそっと指を滑らせた。


痛みとかないけれど、それでも、レイジを感じては甘い声がボクの口から漏れてしまう。




「…っ…レイジ……は…気持ち良い…の…?」




そんなボクの問いかけに一瞬驚いていたけれど、すぐにレイジはボクに笑いかけた。



「…当たり前でしょ……アイアイ…好きだよっ……ん…」






“好きだよ”


レイジはよくそう言ってくれる。





その言葉は、魔法のようなんだ。


それを言われるだけで、ボクの感度が上がるようで。





「…っ…レイ、ジっ……!」

「…アイアイって…好きって言う度にすごい締め付けるのは…なんでっ……」






さすがに、解るよね。


少し苦しそうな顔をして、それでも愛しそうにボクの額にキスをする。




「…そんなに…良いの…?この言葉…」

「ちっが…ぅ…っ………」

「…もう…アイアイは強情だよね…でも、そういうとこが好き……」

「っ………!」





確信犯だ。

ずるい。


本当にずるい。



なんて、ずるい男なんだ。






「…ははっ…アイアイ…照れてるでしょ…?」

「っ…レイジなんて……何なのっ……ほんとに何なのっ…ん…っ…」




レイジに繋ぎ止められているから上手く動けくて。

だから言葉で当たるしか無かった。




それなのに…


それなのにレイジはいつもみたいに笑ってはボクを宥めるように、慈しむようにキスをする。







「…ほんと…ずるいっ……」

「…ははっ…アイアイに言われるのは…なんか嬉しいね………」

「嬉しいって…意味わかんな、ぃっ…んあっ…!」







嬉しいなんて意味わかんない。



何それ。

ボクよりも上手だからってこと?

ボクをからかえるからってこと?




「…アイアイ…可愛いよっ…ほんと……」

「っ…ば、かっ…レイジっ……!!」






可愛い、なんて嬉しくないのに。



全っ然…嬉しくないのに…





「……っう…あぁっ…やっ…レイジ…ぃっ……!」




感じてしまう。


君の声に、言葉に。




「……っ…レイ…ジっ…も、だめっ…んっ…」

「……えっ…今日…早くないっ…?…まぁ…良い、けどっ……っ…」





クスッと笑っては、レイジは腰をうつスピードを速めた。



…レイジのせいだってば。


こんなに感じてしまうのは。






「アイアイっ…顔…隠さないで…っ…」

「ばっ…レイジ…見ない…でっ……」




ボクは顔を腕で隠そうとしていたが、レイジはそれを阻止し、ボクの腕を捕らえてはボクの頭の上に両腕を組ませベッドに押し付けた。





「…良いじゃない…アイアイのイキ顔…見たい…からっ……」

「っ…イキ顔見たいって…や…何、それっ…キモ…いんだけどっ……っあ、あぁっ…やぁっ…!」

「…その…キモい奴に…イかされてるんだけどな…アイアイ、はっ……」

「っあ…やっ…レイジっ……レイジ……!」






身体の奥でほとばしったレイジの体液が、身体の中で熱く広がった。



荒ぶっていた呼吸を整えようとするも、レイジはそれさえもさせてくれず、唇を塞いだ。




ボクの髪を軽く掴みながら、

ボクを求めるように、




だから、ボクもレイジの背中に手をまわし抱きついた。




ずるい人だ。

でも、それが好きなんだ。




「アイアイ…好きだよ……」




しゃくだけど……



でも、伝えたくなる。





「……ボク、も…好き……」






ボクの答えを聞いたレイジは、安心したように笑った。






伝えたくなるほど、溢れ返るほど


レイジが好きなんだって。


レイジが好きだと言ってくれる度に反応するのは、


自分がそれを実感するからなんだ。






それに気付いて、急に愛しくなって。



唇を離したレイジに、ボクは自ら唇を重ねた。









─END─









「…レイジ。腰痛い。今日の収録困るんだけど。」

「えーうっそーん。僕ちんは全然大丈夫なんだけどな。」

「……じゃあ今晩はボクがレイジを犯す番ね。」

「えっ…ちょ…美風さん…?マジ…?てか…か…顔…顔怖いよっ…??」






─END─

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