短編夢小説

□アニメ2000%1話収録後
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「ひゃー!!終わった終わったー!皆ー!お疲れちゃーん!!!!」



うたの☆プリンスさまっ♪の2期、2000%1話の収録が終わり、ST☆RISHとQUARTET★NIGHTの先輩方全員で楽屋に入ると、突然寿さんは騒ぎ始める。





「…レイジ。うるさい。黙ってくれる?」

「えー!アイアイ冷たーい!」


「俺も美風に同意だ。少し黙れ愚民。」


「ちょ!!ミューちゃんまで!!」






…寿さんの扱われ方はどこでも同じようですね。



私も先輩方に同意します。





「イッチー、お疲れ。ダンス、良かったよ。」


楽屋で収録の名残に少し酔っていると、傍にいたレンがそう声をかけてきた。


「…貴方こそ。お疲れさまです。…相変わらずの色気で。」

「おっ。なんだいイッチー、君も俺の色気にやられたのか…」

「それはありえません。」



きっぱりと否定すると、レンはクスクスと笑いながら肩をたたいてきた。



「俺はイッチーの腰振りダンスに悩殺されちゃったけどなー」


「…神宮寺…貴様…女性だけでなく…まさか仲間内にまで手をだすわけではあるまいな……」



レンと二人で話していると、聞こえていたのか後ろからすごい形相で聖川さんが私たちを見ていた。




「…聖川さん…誤解は止めていただけませんか…」

「なんだよ聖川。そんな顔するなって。もちろん、お前のダンスも良かったぜ。」

「貴様!神宮寺!バカにしているだろう!」

「心外だなー。おちびちゃんも、イッチーと聖川の腰振りダンス良かったと思うよな?」

「……お!?お、おう!」




楽屋にいた翔はいきなり話を振られて驚いたのか、少し言い淀んでいた。


「ちょっとショウ!あの二人よりもワタシたちのダンスの方が絶対良かったです!!」

「セシルくんと翔ちゃんのダンス!かっこよかったですよねぇ!!」

「うんうん!良かったよ!!1000%のときはST☆RISHの中にはセシルいなかったし…あ、でも今日収録したのってセシルはまだST☆RISHじゃないよね?」

「ふっ…愛島は一人でいれば良い。」

「カミュ!貴方はまたそういうことを!!貴方だってまだ今日はほとんど出てなかったじゃないですか!」

「そういやミューちゃん、ポワゾンしか出なかったよね。」

「ふっ…俺はレアキャラなのだ。貴様等愚民と違ってな!」

「…レアキャラって言えば聞こえ良いけど。実際ただの出番無しだよね。」

「…藍、あんま言ってやるな。伯爵様泣くぜ。」

「おい、そこの没落貴族、誰が泣くだと。泣きわめくのは貴様だぞ。」






…はぁ…

うるさいですね…


ここまで話が発展されると些か迷惑です。



ですがまぁ、こうやって全員集まるのも久しぶりですし。


これはこれで良いのかなと………





「そういやトキヤの背中のここ、開いてるんだよね?」




音也はぼーっとしている私の背中を見ては、背中の小さく開いてる部分を指で触ってきた。



「ちょ…止めなさい音也!」

「わ!ほんとにここ開いてるんだ!」

「お、なんだいおとやん。エロいぞーお兄さんも乱入しちゃうぞー」

「あ、嶺ちゃん!ここ!トキヤの背中だよ!」

「こ…寿さんも止めてくださっ…ちょっ…」



二人は私の背中を見ては開いている部分に指で触れ出す。

変にくすぐったくて、上手く怒れません…


「お!トッキーが大人しい!これは珍しいね!」

「や…止めてください寿さんっ…!!」


「トッキーがなんかエロい!エロいぞ!!」

「…ちょっとレイジ。良い大人が何してるの気持ち悪い。」

「見てて暑苦しい。きめぇ。」



調子に乗り始めていた寿さんを止めてくれたのは美風さんと黒崎さんだった。



「えー!だってさ!トッキーがこんなに大人しいなんて珍しいんだよ!?レアだよ!?こんな貴重な………って…あれ?ちょ…トッキー…?」


「…寿さん。後で覚えておいてくださいね。」




私の顔を見るなり寿さんは青ざめる。

これぐらいしなきゃ私の気持ちは収まりません。


とにもかくにも、美風さんと黒崎さんには感謝です。




「にしても。腹減ったなー…誰か飯食いに行かね?」

「ショウ。そんな暇あるなら2000%の練習したら?もうすぐショウがメインの回でしょ。」

「…め…飯ぐらい食いに行かせてくれよ!」

「俺も腹減ったなー…翔!俺も飯食いに行く!」

「僕も行きます!美味しいご飯沢山食べたいです!」

「ワタシも行きます!日本の料理、まだまだ知りません!」

「おっ、よっしゃ行こうぜ!トキヤとレンと聖川はどうする?」

「嶺ちゃんたちも行こうよー!皆でご飯食べに行こ!」






…ご飯、ですか。

今は夕方…

この後は明日のドラマの収録のために練習しておきたかったのですが…




「おとやんに誘われたらお兄さん断れないなー」

「嶺ちゃんさっすが!!」

「藍も行こうぜ!」

「…どうしよっかな。ランマルとカミュは?」

「…あぁ?めんどくせぇ…」

「ランラン!そういうこと言わないで!ほら!」

「没落貴族は疲れて体力が残ってないようだな。」

「はぁ?てめぇ、なめんじゃねぇよ。体力なんか有り余ってるっつーの。」

「…ふむ。この流れだとランマルもカミュも行くみたいだね。仕方がないからボクも行くよ。」





…先輩方は皆行くみたいですね。

てっきり美風さん辺りは断ると思っていましたが…




「あれ〜?トキヤくんは行かないんですか〜?」

「一ノ瀬。お前も来るだろう?」





全員が私に注目する。


…この状況で断るなんて無理、ですね…


仕方ありません…

明日のドラマの収録の練習は睡眠時間を削りますか…




「…えぇ。行きます。」

「よっしゃ!じゃあ全員で飯食いに行くぞ!!」

「わーい!どこ行く!?」

「よーし!ここは嶺ちゃんお勧めのお店、紹介してあげようか」

「レイジのお勧めってあんまり当てにならないよね」

「ちょ!?アイアイ酷いから!!」








…そうですね。

最近休みもなかったことですし。


久しぶりに皆と話すのも良いかもしれませんね。









1000%以上の出来に仕上がりますように。



…いいえ。





全員で、2000%に仕上げられますように。




そんな願いを込めた、2000%一話でした。








─END─

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