短編夢小説
□2000%アニメ収録前のQUARTET★NIGHT
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「はぁ…なんでまたQUARTET★NIGHT…」
「全くだ、何故この俺がまた黒崎と組まなきゃならんのだ」
「…テメェ…そりゃこっちの台詞だ」
…どうしてこの三人はいつもこうなんだろうか。
何かことある度にお互いを刺激し合う。
僕たちはうたの☆プリンスさまっ♪のドラマ収録に来ている。
このドラマは2期目で、メインはおとやんたち7人、ST☆RISHの成長していく過程を辿るもので。
僕たちはその先輩役として、ゲームでも結成したQUARTET★NIGHTをまた再結成した。
ゲームのときもそうだったけど…
どうしてこう…収録前の楽屋で皆言い争いをするかなぁ…
「あのー…収録前だし…もうちょい落ち着こうか皆…」
そうへらへらと言ってみるが。
「うるさいレイジ」
「お前が一番落ち着けよ」
「愚民は黙っていろ」
「…はい。」
僕ちん、この中じゃ一番落ち着いてると思うんだけどな…
でもこの三人、合わさるととてつもない威圧感になる。
これじゃ僕は相手にされないどころか出る幕がない。
「…大体さ、あれ、ゲームの中で言ってたじゃない。あの場限りのグループって話だったよね。クリスマスライブのさ。」
「そうだ。」
「あーめんどくせぇ。俺は一人でやりてぇんだよ。」
「お前はベースをべんべんかき鳴らしてる方がお似合いだ。」
「あぁ?べんべんだぁ?お前の耳はどうなってやがる。お前こそチェロをキーキー弾いてりゃ良いじゃねぇか。」
「キーキー、だと…!?貴様…あのチェロを侮辱するな!」
「あのチェロを侮辱したんじゃねぇ。お前を侮辱したんだ。」
あっちゃー…
ミューちゃんとランランが喧嘩始めちゃった。
アイアイはアイアイでため息をついてヘッドホンしてPC開き始めちゃったし…
「…あっのー…二人とも…ほら、もうちょい落ち着こうよ…じゃないとほら、後輩たちに負けちゃうよ?」
後輩に負ける、というワードに全員がこちらを向いた。
お、ちょっと効果アリ?
「…あぁ?嶺二。俺らがあいつらに負けるってどういう意味だ?」
「いや、だから…後輩たちはさ、収録に向けて楽屋でもうちょい落ち着いてるってか最後の確認ぐらいしてると思うよー…なんて」
「…ST☆RISHがQUARTET★NIGHTに勝てるとは思えないけど。そうだね、落ち着きとかは向こうの方があるかもね。グループの纏まり具合とか。」
「…ふむ。愛島が加わったことで更にレベルアップしてそうだしな。」
おっ。
皆食い付いてきた。
やっぱり、こういうところはプロだな。
負けたくない精神というか、周りへの洞察力というか。
「でしょでしょ?だからさ、喧嘩してる場合じゃないと思うんだよね!」
「…まぁ、一理あるな。」
「ふむ。」
「…ていうかまず、その歳になっても喧嘩するって方がおかしくない?」
「……何が言いたい美風。」
やばい!
今度はミューちゃんとアイアイの喧嘩になっちゃう!
「わあああああ!!タンマタンマ!とりあえずさ!だからさ!もう一回ポワゾン確認しよ?」
無理矢理の介入に、冷たい視線を浴びるが、皆は呆れながらも立ち上がった。
「仕方ないな。今日はレイジに乗ってあげるよ。」
「……今回だけだ。」
「ちっ…めんどくせぇ…」
「うっわーい!皆ありがとーう!」
…よっし。
とりあえず喧嘩は免れた。
「じゃあ…ポワゾン一回最初から踊ってみよう!」
楽屋で音はあまりたてたくなかったので、僕らは鼻歌を歌いながら確認し始めた。