短編BL

□ここの音が出ない
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「ここのさ、音なかなかでねぇんだよな…」


俺は藍に新曲の楽譜を見せながらそうぼやいた。




「はぁ?何で?こんなの簡単でしょ。」

「いやいや、出ねぇってこんな高いの。」


そりゃあ、藍は元々高いから簡単に出せるだろうけど…





「いつも出してるじゃない。」




そんな藍の言葉に俺は首を傾げる。






「…え?」





「ボクとSEXしてるとき」








………!?!?





「あっ…あれはっ……!!」





そっ…それとこれは別だろ!



って言おうとしたけれど、そんな俺の言葉も遮るように、藍は俺の手首を掴んでは引っ張り始めた。




「何?今からシてみる?それ以上の高い声、余裕で出るよ。」


「なっ…待っ…藍っ……!」


「さて、レッスン開始だよ。今日は出るまで帰さないからね。」


「ばっ…藍!こら、待てっ……」






そうして俺は藍の厳しい歌の練習を朝までさせられたのでした。







─END─

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