短編BL
□ここの音が出ない
1ページ/1ページ
「ここのさ、音なかなかでねぇんだよな…」
俺は藍に新曲の楽譜を見せながらそうぼやいた。
「はぁ?何で?こんなの簡単でしょ。」
「いやいや、出ねぇってこんな高いの。」
そりゃあ、藍は元々高いから簡単に出せるだろうけど…
「いつも出してるじゃない。」
そんな藍の言葉に俺は首を傾げる。
「…え?」
「ボクとSEXしてるとき」
………!?!?
「あっ…あれはっ……!!」
そっ…それとこれは別だろ!
って言おうとしたけれど、そんな俺の言葉も遮るように、藍は俺の手首を掴んでは引っ張り始めた。
「何?今からシてみる?それ以上の高い声、余裕で出るよ。」
「なっ…待っ…藍っ……!」
「さて、レッスン開始だよ。今日は出るまで帰さないからね。」
「ばっ…藍!こら、待てっ……」
そうして俺は藍の厳しい歌の練習を朝までさせられたのでした。
─END─