短編BL

□腰痛の原因
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「……はぁ…」



藍と昨晩、ヤった。

いや、まぁそれは良いんだ。



俺も…その…


藍とヤれて良かった、し………








…良くねぇよ!!



何が問題かって!


腰痛いんだよあのポンコツロボットめ!!


ガンガンとあさましく腰打ち付けやがって!!!!






…ごめんなさい藍さん。


嘘です。






俺は心の中で暴言を吐いたことを謝り、ため息をついた。






…俺…今ぜってぇ百面相だ…





こんなんで今日の収録大丈夫なんだろうか…





「…はぁ…ってーな…腰……」






そんな独り言を呟きながら俺は事務所のドアを開けた。



「おはようございます、翔。」

「おはよ、おチビちゃん。」

「翔たーん!ぐっもーにんっ!!」






……!?



事務所に入るとすぐに、今日一緒にトーク番組の収録をするトキヤ、レン、嶺二先輩がいた。




「…えっ…あ…おはよ…う、ございます……」

「元気ないですね。どうしました?」

「翔たん、腰痛いの?何かあったの?」






…聞かれていたのか…

…今の独り言…




嶺二先輩は別に何かを疑うように聞いてきた訳じゃなさそうだ。

多分、普通に聞いているんだ。




「…いや…ちょっと…捻ったっぽくて…」



そう、適当に誤魔化してみる。

まぁ腰が痛いなんてそれぐらいで誤魔化せんだろ……








「捻った?何かしたのかい?」








そう突っ込んできたのはレンだ。


…まぁ…確かに。

誰かが腰捻ったとか言ったら、俺だって何かしたのか?って聞く。



でも…
あんまり突っ込んできてほしくねぇし…


ここは上手く流そう…







「…いや…特にってわけじゃ…」


「ちょっとショウ。邪魔。どいて。」







……!?!?



「あ…藍!?」




事務所のドアの前にいると、藍はドアから事務所に入ってくるなりそう言い放った。




「…何?そんな驚いて。ボクがここにいちゃいけないの?」

「い…いや…そういう訳じゃ…」





俺はそこまで言って口ごもった。



…さっきの話…
まだ終わっていない…


ここで三人のうちの誰かに話をぶり返されちゃどうしようもない…



ここは俺が何か新しい話題をっ………










「ところでショウ。腰まだ痛むの?」




「…ぶっ!!!!」







藍は真顔で俺に問いてきた。



ちなみに吹いたのは俺だけだ。




「っ…はぁ!?な…何言っ……」

「んー…ショウにはまだ早すぎたかな。昨日は激しかっ……」

「ぐわあぁぁぁあああぁぁぁあ!!!!!!!」





惚けようとしても無駄だった。


こいつはそういう奴だった。



恥ずかしさの余り、俺はここが事務所だということも忘れ、藍の言葉をかき消すように大声を出した。






「…ショウ、ここ事務所。」

「…す…すんませ…って…おい!藍!」



俺は大声を出したことに周りに謝りつつも、藍にくってかかった。




「何?なんか変なこと言った?」

「言ったも何も!皆いるっ………」






そこまで言って、漸く気付いた。


三人の視線に。



俺は恐る恐る三人を見た。





「どうぞお二人さん。続けて続けて〜♪」

「別に何も言いませんよ。口外もしませんし。」

「そうそう、おチビちゃん。恥ずかしがらなくても良いんだよ。」





「…っ……!!」






余裕ある三人の言葉に俺は兎に角羞恥に見舞われた。


これも全部藍のせいだ!



そう思い、キッと藍を睨み付ける。




でも藍はそんな俺の睨みも軽く飛ばした。



「三人は元々気付いてたよ。ショウが腰痛いって言う辺りから…いや、昨日ショウがボクの部屋にきたぐらいからかな。」






…じゃあ俺の事務所にきてからの悩みは無駄だったっつーことかよ…





藍はそう冷静に推理したものを俺に教えてくれるが、俺の頭はそうはいかない。



お前の頭みたいに有能じゃない。



感情に振り回されてばっかだ…くそ。





「…俺…今日休む…」


「ダメですよ、翔。今日はこの5人でトーク番組に出るんですから。」

「そうだよ翔たん!ちなみに今日のトークの内容は」





「「恋愛について」」






「…完っ全に面白がってんだろ…お前等………」









─END─







トーク番組収録






「翔たんはー好きな子に虐められたいんだよねっ」

「ちょ!嶺二先輩!嘘言わないでください!」

「虐められたいのは寿さんでしょう。」

「トッキーに虐められたいのはあるかなっ♪」

「気持ち悪いです、止めていただけますか。」

「じゃあアイミーは好きな子は虐めたい派かな?」

「まぁ…無くはないね。レイジじゃあるまいし虐められたい願望はないよ。」

「待って!僕ちんドMみたいな言い方されてるけど違うよ!?僕は好きな子はがっつり虐めたい…」

「寿さん。そろそろ自分の年齢きちんと把握してもらえませんか。」

「イッチーはブッキーに対しては相変わらず酷い物言いだね。」

「トキヤのレイジへの対応は強ち間違いじゃないよ。」

「えー!ひっどいなぁ!もう!トッキーとアイアイはドSさんだね!鬼畜さんだね!!」

「まぁレイジのドMよりはマシかな。」

「美風さんがドS…そこのところどうなんですか?翔。」

「なっ…なんで俺に聞くんだよっ!!」

「その返し、完全に怪しいぞ翔たんっ!」




─END─

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