短編BL

□生まれてきてくれてありがとう
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「…ショウの誕生日、か…」






“翔たんたちには内緒でパーティ開くから!アイアイも黙っててね!”






そう、昨日レイジはボクに言ってきた。



…ショウの誕生日。


誕生日って、そんなに意味あるものなのだろうか。


ボクにはさっぱりだ。





「…ただ、誕生した日ってだけじゃない…。」





毎年毎年くる誕生日。



そんなに…大事なのだろうか。






「…大体…なんでボクがこんなに悩まなきゃならないんだ。ショウの誕生日で…」





そんなことよりもやらなきゃいけない編曲や練習が沢山あるんだ。




「…誕生日プレゼントとか…、別にレイジたちが用意するでしょ。」





いや、単に考えたくないだけだ。

渡すのが嫌とかじゃなくて、ショウのことを考えれば考えるほど悩んで、オーバーヒートしそうだ。




…どうしてこう…

ショウのことを考えるだけでこんなに悩むんだ……





付き合っているのに。


ショウはボクのものなのに。


それでも何故か考えてしまう。





「…もういい…本人に直接……」






何が欲しいか直接聞こうとメールか電話をしようと、携帯を手にとった。



でも、じゃあ何故レイジは誕生日パーティを開くことを内緒にしようとしてるのか。




答えは簡単だ。




驚かせて、一層喜ばせたいから。






「……あー!!めんどくさい!めんどくさいことこの上ない!!」







ボクにここまで言わせるショウの誕生日。


かなりの曲者だ。






「…とりあえず、ショウの誕生日に関しては今だけ頭からデリートしよう。」








ボクは今だけ逃げることを選んだ。




それが明日、余計面倒なことを引き起こすということも知らずに。
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