短編BL

□ひたすらな楽屋キス
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「まだ時間あんなー…」



とある番組に藍と二人で出演することになり、俺は藍と同じ楽屋で待機している。



「…ちょっと。じっとしていられないの?さっきからうろうろして。」

「…だって…緊張すっし…。」




俺が楽屋の中をあっちこっち忙しなく歩いていると、PCをいじっていた藍が苛立った様子で声をかけてきた。



「…一体何に緊張するわけ…。別にそんなに何かする番組じゃないじゃない。」

「…そうだけど…」





俺はまだ新人で、藍みたいにまだ慣れてないし。


失敗なんて出来ない。




でも気負えば気負うほど自分の身体がガチガチに緊張する。



「台本、もう一回読めば?」

「…そーする。」




俺はそう言って、立ちながら台本を読み始めた。








…っていっても。


台本なんて頭に入ってる。



台本通りにいかないことがあるかもしれない、ってことが不安なわけで。









「…台本読んでも意味ないって顔してる。」

「………」



図星をさされ、俺は何も言えなくなる。



「ちょっと…外の空気吸いに行ってくる。」


台本を鞄に戻し、俺は楽屋から出ていこうとした。







「…あーもう…ほら、ショウ。」

「…なんだよ…」

「緊張解してあげる。」

「…へっ…いや…良いって…っ…!?」



出ていこうとした俺の手首を引っ張り、そのまま背をドアに押し付けられた。





「えっ…あ…藍っ…!?」

「…これなら、緊張しなくなるでしょ…」

「あ…あいっ…んぅっ…!」





強い力で押さえつけられ、逃げることも叶わず、そのまま藍に唇を奪われてしまった。
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