短編BL
□チョコレートよりも甘い
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─音也side─
「たっだいまああああ…ふぅ…今日は荷物多いなぁ…」
俺は寮に帰るなり荷物を玄関に下ろした。
「…あれ、トキヤいないのー?」
部屋の灯りは点いていなく、しんと静まり返っていた。
…まぁ…大体いつも俺の方が早いし…
そのうち帰ってくるよね。
「…先にシャワー浴びとこっと。」
そして数十分後、風呂からあがるものの、トキヤの姿は無かった。
「…あっれー…どうしたんだろ…。」
玄関を見ても靴はなく、学校からも帰ってきていない様子。
…なんだろ…バレンタインだし…
女の子に呼び出されまくってるのかな…
そうだよね…
トキヤはハヤトだし…
「…っうー!複雑!複雑な気持ち!」
俺はまだ濡れた髪をがしがしとかきながらしゃがみこむ。
いくら俺らが付き合ってるからといって、トキヤが女の子を好きにならないなんて保証どこにもない。
そんなの考えたらキリないなんてわかってるのに。
「…宿題…したら色々考えずに済む…かな…」
そうため息混じりに呟いて、俺は机に向かった。