◆Biography◆


ある新年を迎えたばかりの港・横濱・伊勢佐木町を一人のやさぐれた男が歩いていた。

かつては横濱の名のあるライヴハウスで何人ものミュージシャンを発掘しメジャーへと送り出したが、今では地下組織から逃げている男、SHIGEである。

ギターの音色に吸い込まれるように近づいていくと、一人の少女が夜の冷え込む路上で歌っていた

MAMIである。

MAMIも歌う場を求めさまよい歩くうちに伊勢佐木町の路上がお気に入りとなっていた。

唄い疲れ煙草に火をつけたMAMIの前に置いてある数人から貰った小銭の入った空き缶にまだ火をつけてない煙草を一本投げ込んだSHIGEは...

『唄い足りねえんだろ?唄わせてやるよ…ついてきな。』

ついて行くと廃墟と化した元ライヴハウスがあった。
ゴミや廃材を退かしながら奥に進むとステージが見えた。
裸電球の下にマイクスタンド、アンプなどが見える。

『いくらでも唄えよ。聴いてやるよ...』
(なんなんだこのオッサン、おひねりくれんのかなぁ?路上より寒くないしいいかぁ。)

軽くチューニングを終えて唄いだすMAMI。

唄ってるうちに何かを感じたMAMI。
このハコ(ライヴハウス)なんなんだ?
あのオッサンは?)

『ネエチャン、名前は?』
『MAMI!アンタは?』
『SHIGEだ。MAMI。ちょっと待ってろ...誰か来たら死ぬ気で逃げろ』
『???』

一時間後、一人の男を連れてSHIGEが帰って来た。

『大丈夫だったみてーだなぁ(笑)』
『ネエチャン、えっとMAMIお前度胸あんなぁ(笑)』

『MAMI、こいつのギターで唄ってみろ。』
SHIGEが指差した男。
サングラスをかけ無言。表情もわからない。かなり酔ってるようだ。

(弾けんのかょ?)

ステージに立った男はギターを懐かしそうに眺めた。そしてかき鳴らし始めた。

(えっ?超カッコいいじゃん。誰なんだこの酔っぱらい。)

『唄ってみろよ。』

唄いだすMAMI。

『オッサン。えっと...SHIGEって言ったっけ?誰なんだこのギタリスト?』
『HASEだ。数日前に網走から出てきた。』
『HASE。久しぶりにしちゃ〜さすがだ。腕は鈍っちゃいねーようだなぁ(笑)』
ギターアンプに腰掛け酒を煽る。
『MAMI。俺らと組まねぇか?お前の声に惚れちまった。』
(嘘だろ?オッサン。なにやろうってんだ。このギタリストだって人殺してそうだし。網走?網走刑務所?)

『明日もここに来れるか?』
『なにがあるってんだ?(オッサン)』
『まぁいいから〜。明日待ってるぜ。MAMI。』

翌日行ってみると...

『???』
『来ねぇかと思ったぜ。おい…こいつがMAMIだ。』

SHIGE、昨日のギタリストHASEの他に4人いた。

髭面の男。こいつまで目付き悪い。さっきからドラムの前に座りベースを持った男とウォッカの瓶を片手に睨みあってる。

そのベースを持った男。なにか怪しい感じがする。日本人なのか?
こいつまでビール瓶を持ってる。

???女???キーボードの前に座り爪を研ぐ女。

???また女???ギターアンプに腰掛け呂律回らないのに誰かと電話している様子。『いつツケ払ってくれんのさぁー?いいかげんにしなよ!インポ野郎!!』
手が震えアルコール中毒のようだ...ギタリスト?


『MAMI。俺が集めたメンバーだ。唄ってみろよ。』

(嘘だろ?(オッサン?)演奏できんのかよ?こいつら...)

『おい、お前ら。お前らの借金は俺がなんとかしてやるから。いまからMAMIと組むんだ。いいな?』

セッティングを始める面々。

【MAMI project】伊勢佐木町の廃墟と化したライヴハウスからすべてが動き始めた。

MAMI(Vo.)
HASE(Gu.)
カズーマン(Dr.)
Ogu(Ba.)
CHATO(Gu.)
つっちー(Key.)

 

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