[続]初恋cherry.(1〜77)

□66話
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私の就職も無事決まって、やっと就職活動から解放された。


もちろん、就職への不安もあるし、これからは大学卒業に向けてゼミや卒論を頑張っていかなくちゃいけないんだけど…

諸星くんも卒業後は愛知に戻って来ることになったし、春からのことを考えると嬉しくて心が弾む。



「ちょっと咲季顔緩みすぎじゃない?」

「えっ、そうかな?」


今日は大学の友達のアキちゃんとカフェでランチ。

アキちゃんからの指摘に思わず口元を手で覆う。


「ニヤニヤ半端ないんだけど!そんなにお盆楽しかったの?」

「えへへ…うん」


お盆は、諸星くんと花火大会に行って、その後は毎年恒例の諸星家にお邪魔して家族の皆さんとスイカを食べながらお話。

あとは、弟の祐太ともバスケをしてくれたし、2人でゆっくりすることもできた。

大学最後のインカレを数ヶ月後に控えているから、諸星くんが愛知に滞在した日数としては多くなかったけど、大学最後の夏休みも諸星くんとの思い出がたくさんできて…


「はいはいご馳走様〜」


「あれ、咲季もう食べないの?」

アキちゃんはグラスに入ったジュースを飲み干してから、まだおかずが残った私のプレートを指差して聞いた。


「うん、、ここ数日あんまり食欲なくて…夏バテかな?」

「えぇ〜大丈夫?確かにちょっと顔色悪いかも。クーラー病とか?」

「あっ、全然大丈夫なんだよ?寝込むほどじゃないし普通に元気なんだけど、ちょっと身体が重く感じるときがあるっていうか…」


「…咲季それってさ……いや、それはないか!」

「え、何なに?」

「諸星くんはしっかりしてくれそうだもんね、うん」

「えっ?何の話?」


アキちゃんが意味深な発言を繰り返す。

何を言っているのかわからなくてポカンとしていると、アキちゃんが私の方に顔をググッと近付けてきて、


「もしかしてさ……妊娠、とか?」


…にん、しん?


思いもよらないワードに、一瞬言葉を発するのも忘れて黙り込んでしまった。


「え、ちょっ、もしかして図星!?」

「なっ!ナイナイ!それは絶対にないよ!」

「でもお盆もその前会いに行ったときもラブラブしたんでしょ?」

「…っ!」

「本当わかりやすいね〜咲季は」

たちまち顔を赤くする私を見て、アキちゃんがケラケラと笑う。

「うぅ〜イジメないでよアキちゃん…」


「まあ妊娠は冗談だけどさ、暑いからって冷たい物ばっかり飲んでちゃダメだからね!」

「ふふっ、アキちゃんお母さんみたいだね」

「ちょっとー!心配して言ってるんだからねー?」

「うん、ありがとう」



アキちゃんとバイバイして家に帰った私は、部屋で1人ぼんやり考えていた。


さっきアキちゃんに言われたことが、ずっと頭をチラついて離れなくて。


最近の身体の重さは夏バテと生理前の不快症状だろうって思ってたから…

もし、そうじゃないとしたら……とはいえ、妊娠の可能性は低いと思う。

就職が決まったときとお盆と、諸星くんと会えたときはそういうコトもしたけど、諸星くんは絶対避妊してくれるし。

アキちゃんだって冗談で言っただけだし、私の考え過ぎってわかってる。

でも、、避妊だって100%じゃないんだよね…


そろそろ生理がきても良い頃なんだけどな…
生理がきてしまえばこの不安もなくなるのに、こういう時に限ってこないから参っちゃうよ。


ああ、モヤモヤする……

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