[続]初恋cherry.(1〜77)
□47話
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『友達?』
『うん。友達というか、バスケ仲間かな』
『でもせっかく久しぶりに会うのに私も居たらお邪魔じゃないかな?』
『ううん全然。ていうかさ、向こうの方がが咲季に会わせろってうるさいんだよな…』
『そうなんだ!?それなら是非』
諸星くんと夜の日課の電話をしていたら
『神奈川の友達がお盆に愛知に遊びに来るって言ってるんだけど、咲季も一緒に会わない?』
って。
高校時代にバスケで知り合った友達で、今でも連絡を取り合っているらしい。
1人は牧さんという人で。
私も諸星くんとの会話の中で何度か名前を聞いたことがある。
神奈川県屈指のプレイヤーで、諸星くんともインターハイで対戦したことがあるらしい。
もう1人は、、
『牧はな、まあ良いんだよ。ただもう1人がなあ〜』
『…怖い人とか?』
三井さんよりも怖かったらちょっと萎縮してしまうかもしれない……なんて言ったら三井さんに失礼かな。
『うーん何ていうのかな…クセがあるっていうか、ギャップがすごいというか…まあ咲季にはすげえ優しいと思うから大丈夫。…でもなあ〜〜』
結局諸星くんはその人のことを詳しくは教えてくれないまま当日になった。
駅の改札で待ち合わせることになっていて、私が一番初めに着いて待っていると
「咲季!」
「諸星くん、おはよう」
諸星くんも来て、友達の到着を待つ。
「そろそろ来るかな?」
「もう新幹線は着いたはずだから来ても良い頃なんだけどな…」
「ちょっと緊張するなあ〜」
「良い奴らだし仲良くなれるよ。あ、ちなみに牧は色黒でゴツイけど全然怖くないから大丈夫」
「ふふ、うん。私は諸星くんが言ってたもう1人の友達がどんな人なのか気になるなあ」
「…あぁ〜うん、あいつは…」
「いた!あれ諸星だろ!オイ牧!だから俺は南口はこっちだって言ったじゃねぇか」
「言ってない。お前が適当に歩いて行ったから迷ったんだ」
「ちげぇよ!つーかお前何も言わなかっただろーが」
「言ったのに聞かなかったんだ」
背の高い2人の男の人が何やら言い争いをしながら改札から出てくる。
「はァ、、来たか……」
諸星くんがため息混じりにつぶやいた。
「諸星くんの友達ってあの人達?」
「うん、あいつらが今日会わせたかった俺のツレ」
2人がどんどん近づいてくる。
「よーっす!諸星!」
「久しぶりだな、諸星」