[続]初恋cherry.(1〜77)

□44話
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今日は咲季が来る日。


付き合って2年以上経つけど、いまだに会えるのが楽しみで楽しみで、練習にも俄然気合いが入る。


帰ったら咲季が作ってくれたウマいメシを食って、ゆっくり話して、それから…



「大チャン、今日咲季チャンが来る日やんなあ?」

「今日のメシ何だろうな?腹減った〜」


……こいつらの邪魔さえなければずっと咲季を独り占めできるのに。いい加減空気読めよな。


「何でお前らが俺のスケジュールを把握してんだよ」

「そんなん知らんでもわかるもん。なあ三井クン?」

「おぉ。咲季が来る日のお前の顔すげえよ」

「…すげえって?」


「「ゆるゆる」」


「ぐっ……」


悔しいけど言い返せない。

でも、遠距離の彼女が会いに来てくれるのに顔が緩まないヤツなんて居ないっつーの。



結局、土屋と三井も一緒に俺の家に来てドンチャン騒ぎ。

咲季も楽しそうにしてるし、まあ、良い。


一通り騒いだ後は追い出すようにしてどうにか2人を帰した。

よし、これからが本番。



順番に風呂に入って、並んでテレビを観ながら近況を話す。

話しながら手を握ったり指を絡めたり、CM中はキスしたり。


俺、このイチャイチャタイムがすげえ好きなの。


風呂上がりの咲季からはシャンプーの匂いがふんわり香る。

俺と同じシャンプーとかボディーソープを使ってるハズなのに、何で咲季はこんなに良い匂いがするんだろう。
何かつけてんのかな。クリームとか。



ああ、何だかムラムラしてきた。

…ダメだダメだ、まだベッドにも入ってないってのに。


「そろそろ歯磨きして寝ようか?」

「そうだね」


とか何とか言いながらさり気なくベッドに誘っちゃう俺。

ちょっとわざとらしいかな?

けど、ベッドでイチャイチャするのはもっと好きだから。



歯磨きを済ませてベッドに横になる。

腕枕をして咲季の髪の毛を指でとかしながら


ひとつ、キス。

もうひとつ、キス。

またひとつ、キス。


…止まんなくなってきた。


腕枕していた腕を抜いて咲季の上にまたがる。

キスしようと顔を近付けると


「まっ、待って!」


咲季が制止する。


「ん?」



「諸星くん、今日ね、あの…ダメなんだ……私、アレの日で…」



……しまった。


やってしまった。

今まで“そうかもしれない”って日はそういう雰囲気にしないように気をつけてたのに。

今日は泊まりだから気が緩んでて全然気づかなかった。



「…ごめんね」

「ううん、仕方ないよ。俺も気付かなくてごめんな」

申し訳なさそうに謝る咲季の頬をひと撫でしてから、また咲季の隣に横になった。


「よし、じゃあオヤスミのちゅーして寝「わっ、私がする…!」




………え?

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