[続]初恋cherry.(1〜77)
□40話
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今日は成人式。
ほんのこの前まで高校生だったような気がするのに……
そんな私ももう二十歳で…成人式に出る歳になったんだなあ。
美容院で髪の毛をセットしてもらって、振袖を着付けてもらう。
初めて袖を通す振袖の重さと苦しさに戸惑いながらも、スタッフの人に『とっても可愛いですよ』なんて言われて少し浮かれてしまう。
諸星くんのスーツ姿、格好良いだろうなあ。
暇さえあれば想像してニヤニヤしてしまう。
私と諸星くんは住んでいる地域が違うから、会場が違うのが残念でならない。
今日はユッちゃんと一緒に行く約束をしていて、駅前で待ち合わせて会場に向かった。
ユッちゃんは、藍色の振袖を着ていてすごく大人っぽい。
顔立ちも昔から綺麗だったけど、益々磨きがかかって見とれてしまう。
「ちょっと咲季〜視線が痛いんだけど」
「だってユッちゃん綺麗だから……」
「あっはっは!照れるからやめてよ〜!咲季も可愛いよ?赤色の振袖似合ってるし諸星くんもメロメロ間違いなしだね」
「メロメロって……えへへ、でも嬉しいな」
「後で諸星くんと会うんでしょ?」
「うん、夜の同窓会までの間にちょっと会うよ。そういえば岸本さんは元気?」
「ああ、元気元気。ていうか見てよこれ…」
ユッちゃんが携帯の画面を見せてくる。
そこには、金色の袴を着て満面の笑みを浮かべる岸本さんと、物凄く嫌そうな顔で岸本さんに肩を組まれているスーツ姿の南さんが写っていて。
「岸本さん、袴……金色?」
斬新というか何というか…めちゃくちゃ派手だなあ。
「そう!マジで趣味悪いでしょ!」
「でも岸本さんに似合ってるね」
「げ〜〜そんなこと言ったらアイツ絶対調子に乗るからやめてよ〜」
ユッちゃん、こんなこと言ってるけど、私、気付いちゃったんだ。
岸本さんの写メをしっかり待ち受けにしてること。
相変わらず仲良しみたいで安心したよ。
会場では久しぶりに会う友達にも沢山会えて、いっぱい写真も撮れて終始笑顔で楽しくて仕方なかった。
「咲季じゃあまた夜にね」
「うん、また連絡するね」
ユッちゃんと一旦別れてから、諸星くんと待ち合わせている駅に向かった。
駅に着いて、楽しみで、楽しみすぎて、つい周りをキョロキョロしてしまう。