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□46話
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その後はおみくじを引くことに。
「よっしゃ!俺大吉!」
「わ!すごい!私は……末吉かあ」
何か微妙…?
手放しで喜べないというか。
「末吉かあ〜控え目な感じが咲季っぽいなあ」
「そうかな?」
諸星くんがそう言うならそうなのかもしれない。
私って何て単純。
「木に結ぶ?持って帰る?」
どうしよう。
持って帰って、諸星くんと初詣に行った宝物にしたいけど、でも
「木に結ぼうかな。諸星くんの隣に結んで欲しいな」
「OK!高いとこに結ぼうか」
「こういうとき背デカくて良かったって思うな〜」
そう言いながら木の高い位置におみくじを結んでくれた。
「よしっ!これで今年も安泰!」
「ありがとう」
このおみくじみたいに、今年も諸星くんの隣に居れますように…。
「ねえ、咲季ん家さ、今誰か家族居る?」
「??お母さんと弟が居るよ。お父さんはご近所さんと集まって飲み会に行ってるけど…」
「そっか。これから挨拶に行っても良いかな?咲季の家族にちゃんと挨拶したことってなかったし、新年の挨拶も兼ねて…どうかな?」
「うん、聞いてみるね?」
嬉しいな。
いつか諸星くんのこと紹介したいって思ってたから。
お母さんに電話すると、ビックリしてたけど喜んでた。
「大丈夫って。お化粧したいから、あと1時間後に来てって言われたけど」
「ははっ、良いのに」
少し駅をブラついてから、私の家へ向かう。
「やば、緊張してきた」
「お母さんも緊張するなあ〜って言ってたよ。諸星くん見たらビックリするかも」
「何で?」
「…諸星くんが、か、格好良い、から」
自分で言っておきながら照れて顔が赤くなる。
諸星くんは『出た!』って笑ってる。
私の家に着いて
さすがの諸星くんも緊張してるみたいで、少し顔がこわばってる。
「ただいまー」
玄関のドアを開ける。
その瞬間ドタバタと騒がしい足音。
「ねーちゃんおかえり!彼氏は?うわっ!」
諸星くんの顔を見た途端、かかとを返して
「かーさん!ねーちゃんの彼氏すっげーイケメン!意味わかんねー!」
走って行く。
「ちょっと!祐太!」
「弟?」
「そう、祐太っていうんだけど…うるさくてゴメンね」
「元気だな〜中学生?」
「うん、中2なの」
「も〜騒がしいわねえ。初めまして、いらっしゃい」
お母さんが出てきた。
諸星くんを見ると、目をパチクリさせていた。
やっぱり、諸星くんが格好良すぎてビックリしてるんだと思う。
「初めまして。咲季さんとお付き合いさせていただいてます、諸星大といいます」
「……格好良いわねえ。背も高くて…」
心なしか、お母さんの目がハートになっている気が…
「あ、こんな所でごめんなさいね。上がってちょうだい?」
「いえ、挨拶に来ただけですし…」
「いいのいいの!上がって?」
「そうだよ!かーさんマッハで掃除したんだぜ?」
「こら祐太!余計なこと言わないの!」
「うん、上がってって?」
「それじゃあ、お邪魔します」