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□43話
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彼女を家に送って、自宅までの道のりを1人歩く。
さっきまで咲季と繋いでいた手は急に冷たくなって、ポケットにしまい込んだ。
何組かのカップルとすれ違って、冷たい風が吹く中で、彼女のことを考えていた。
今日は1日楽しかったなー。
咲季の喜ぶ顔が見れて嬉しかった。
水族館では泳ぐ魚達を眺める顔が無邪気で可愛くて
ツリーとイルミネーションを見あげる瞳はうるうると綺麗で
おいしい食事を作ってくれる彼女には頼もしさを感じた。
その後は………
やっぱり無理させすぎたかな。
でも自分を必死で受け入れてくれたことが嬉しくて。
可愛すぎて、途中めちゃくちゃにしたくなったけど、さすがに理性が咎めた。
今までの経験の中でも、こんな気持ちになったことはなかったと思う。
咲季のこと独り占めしたくて、ずっと腕の中に閉じ込めておきたい。
さっきまで一緒に居たのに、もう咲季に会いたい。
抱き締めて、キスして、真っ赤になってうつむく彼女の頬を撫でて……
うあー!ダメだ俺、ニヤニヤして絶対アブない奴じゃん。
あー、にしても可愛すぎたなー。
華奢なのに柔らかくて。
肌は真っ白で。
『諸星くん』って、俺の名前を呼ぶ声が耳から離れない。
…ダメだ、完全にハマってるわ。
今日は寝れそうにない。