初恋cherry.(1〜32)

□9話
1ページ/1ページ

愛和祭1日目。

1日目は体育祭。


正直私はあんまり役に立てないと思う。
走るの遅いから。


諸星くんは毎年体育委員をしてて、体育祭の日はバタバタと忙しそうにしてる。

こういう学校全体行事のときは、諸星くんを見れる機会が増えて本当に嬉しい。


私が出場するのはスプーンリレーと全員参加の綱引き。

見事に脚力が関係ないものばかり。


諸星くんは何に出場するのかな…

リレーには毎年出てるし、部活対抗リレーもあるし、後は何だろう。

自分のクラスも応援しなきゃだけど、皆ごめん、諸星くんが走るときだけは諸星くんの応援をさせてください!



体育祭が始まって、何種目か終わると、私が出場するスプーンリレーの集合アナウンスが流れた。


入場ゲートに向かって歩いていると


「スプーンリレー出る人ー!ここに集合ー!」


体育委員の仕事で集合をかけている諸星くんがいた。


私が近くに駆け寄ると


「あ、川瀬さんじゃん。スプーンリレー出るの?」

諸星くんが気づいてくれた。


「うん、私走るの遅いから、こういうの専門」


「あー、そうっぽいね」

おどけた顔で笑う。


「っ!ひどいよ〜」

「あっはは!ごめんごめん、頑張ってよ。俺もこの後の借り物競争出るから見てね」

「え、諸星くんが、借り物競争?」

何だか意外。

「うん、1人休んじゃってさ、代わりに出んの。もし走るのが遅い人ってお題が出たら、川瀬さんとこ行くからよろしくね」

「もーっ!」

「あはははっ!…お、ぼちぼち入場だな。ハイじゃあ入場しまーす!着いてきてー!」



最近、諸星くんと普通に話せている自分にビックリする。

めちゃくちゃ緊張はするし、ほとんどは諸星くんが話しかけてくれてるんだけど。

話せば話すほど諸星くんは魅力的で、好きがドンドン増えていく。



借り物競争で諸星くんが私のところに来てくれたら、諸星くんと手を繋ぐのかな、なんて不純なことを考えていたら、本番、ピンポン球を1回落としてしまった。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ