[続]初恋cherry.(1〜77)
□59話
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「次はお盆か……」
練習が終わって着替えながら、ボソリとため息混じりに独り言がこぼれる。
口に出すつもりはなかった。でも気が付いたら口から出てる。
「まーた言ってんのかよ諸星」
「大チャン、寂しいんやね」
「おう」
「何だよ、えらく素直だな」
「咲季チャン、頑張っとるて
?」
「ああ、頑張ってるよ」
そう。咲季は就職活動の真っ最中で、毎日すげえ頑張ってる。
たまに連絡がとれない日もあるけど、俺も試合前はそういうこと多いし、さして気にしない。
でも寂しいなーと思うのは事実で。
もちろん応援してる。
めっちゃくちゃ応援してる。
咲季の将来のための今だと思えば、いくらでも我慢する。
あー咲季に会いたいなー。
会って、抱き締めて、キスしたい。
ここ数ヶ月の俺の楽しみといえば、バスケと、咲季が送ってくれたリクルートスーツ姿の咲季の写メを見てニヤニヤするくらい。
……何か俺変態っぽいじゃん。
咲季、頑張れ!
俺もバスケ頑張るからさ。
一緒に頑張ろうな!