[続]初恋cherry.(1〜77)
□55話
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最、悪……
年明け早々に風邪を引いてしまった。
何で今なんだろう。
普段から体調管理には気をつけてるのにな…タイミング悪すぎだよ。
昨日はユッちゃんと初詣に行くはずだったのに、泣く泣くキャンセル。
電話口で謝る私に
『良いよ良いよ、早く治しな?』
って。
ユッちゃんは相変わらず男前。
久しぶりにユッちゃんに会っていっぱい話したかったよ。
ゴメンね、ユッちゃん。
そして今日は諸星くんと初詣の約束だったのに……
もうそんなに熱は高くないけと、諸星くんにうつしたら大変だから、『風邪引いたので今日はゴメンね』ってメールでお断りした。
だって電話したら、諸星くんの声を聞いたら、泣いてしまいそうだったから…
はあ、、ショック…
毎年一緒に行ってたのに…今年も行きたかったなあ。
一緒にお参りして、おみくじ引いて、“寒いね”って言いながら手を繋いで歩いて……
考えれば考えるほど悲しくなってきて、布団を頭まで被ってフテ寝を決め込む。
頭痛いな……
ボーッとする。
…諸星くん、会いたいよ。
…………
…………
………ん?
布団の中で悲しみに浸っていたら、いつの間にか眠っていたみたいで。
私、どのくらい寝てたのかな…
でも、眠ったら重たかった頭が少しスッキリした気がする。
『わざわざありがとうね〜』
1階からお母さんの声が聞こえる。
『久しぶりッス!』
祐太の声も…
誰か来てるのかな?お正月だし、親戚の人とか…
楽しそうな声…
あーあ、本当だったら今頃は諸星くんと一緒に居たハズだったのに。
体調は良くなっても、気持ちは下がったままだ。
あ、誰か2階に上がってきた。祐太かな?
でも足音が1人じゃない……
お母さんが様子を見にきてくれたのかも。
コンコン
ドアをノックされて
「咲季〜起きてる?」
やっぱりお母さんだ。
「うん、起きてるよ」
「良かった、起きてるみたい」
「そうですか」
……え?
ドアの向こうで、男の人の声…
祐太じゃない。
というか、聞き間違えるわけがない。
「咲季、諸星くんがお見舞いに来てくれたわよ。諸星くん、入って?」
「すみません、ありがとうございます」
やっぱり!諸星くんだ!
「咲季、入るよ?」
「ちょっ!ちょっと待って!!!」