[続]初恋cherry.(1〜77)

□41話
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成人式会場を後にして、咲季と待ち合わせている駅に向かった。


久しぶりに会った中学時代の友達とも話せたし、夜の同窓会も皆で騒げると思うと楽しみだ。


でもまずは、これから咲季に会えることに心が踊る。


昔のクラスメートの女の子の振袖姿もキレイだなと思ったから、咲季はどんな感じなんだろうと妄想が止まらない。


絶対可愛いだろうなあ。

決めた。写メ撮って待ち受けにしよう。


駅に着くと振袖姿やスーツ姿の新成人が沢山居て、咲季はどこかとキョロキョロ辺りを見渡す。


あ、居た!あの赤い振袖の子だ!


「咲季!」


俺の方とは違う方向を見ていた咲季が、俺の声に気づいて振り向く。


「あっ、諸星くん!……っ!」

咲季は俺の姿を見るなり、口元に手を当てて固まってしまった。

「咲季?どした?」


「あっ、あの、スーツ、かっ、格好良くて……」


「ははっ!ありがと」

顔を赤くして目を泳がせている咲季を見て、つい吹き出してしまう。


つーか、やばい。


咲季、すげえ可愛い。


振袖も似合ってるし、アップにされた髪も、いつもより濃いめのメイクも新鮮で良い。


「咲季も、可愛い」

「あっ、ありがとう!」

「うん、一番可愛い」


これ、本当だから。
マジで一番可愛い。

あー抱き締めたい。
キスしたら口紅取れるからダメだろうな……我慢、我慢。



「諸星くん、写真、撮っても良い?」

「うん!俺も咲季の写真撮りたい」

「諸星くんの写メ、待ち受けにしても良い?」

「!…っ、くっくっくっ」

「えっ!?ダメだった?」

「ははっ!ダメじゃないダメじゃない!はぁ〜おかし…」

「??」


何か俺達、似たものカップル?

2人して同じこと考えてたんだって思うと、すげえ嬉しくて、また咲季を抱き締めたくなった。


「2人の写真撮ろうか。それ待ち受けにしようよ」

「うんっ!」


周りにいた人に頼んで、デジカメと携帯で2人の写真を撮ってもらった。

嬉しそうに携帯画面を眺める咲季を見て、頬が緩む。



しばらく座って話してから、夜からの同窓会の準備もあるし咲季を家まで送るために並んで歩く。


“振り袖脱ぐのもったいないなあ”って言いながら小さな歩幅で一生懸命歩く咲季が可愛くて、もっと写真撮っとけば良かったかなーなんて考える。



ハタチの俺。

大好きなバスケができて、可愛い彼女もいて、その彼女は俺の隣で笑ってる。


俺、、幸せすぎてやばくない?

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