ウチとボク

□18話
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「11月に大事な試合があんねん」


「名前チャン、観に来てくれへん?」




「ボク、名前チャンが好きや」


「もう1回、名前チャンのこと、名前って呼びたい」



「ボク、名前チャンの為にプレーするから」

「絶対優勝するから、絶対、来てほしい」


「ほんで、試合終わったら返事聞かせてほしい」




それだけ言うて、ボクは家に帰った。



名前チャンは、何も言わんかった。

何も言わんというか、言えんって感じで、呆然としといた。


そうやろうな…


ボクも、かなり動揺した。

アレが嘘やったって、今頃になって知るなんて………


過ぎた時間は、もう戻らん。


あのクラスメイトの女子を恨んだり責めたりするんも、違う気がする。

そうさせたんは、ボクかもしれん。



もう、前を向くしかない。






「大チャン、三井クン、ボクな、インカレ絶対優勝したいねん」


「はあ?そんなの当たり前だろーが」

「珍しいな、土屋がそういうの口に出すなんて」

「お前、さては女だな?」


「んー……名前でな、呼びたい人がおるんよ」


「名前ェ?」

「へぇ、そっか、じゃあ負けられないな」



絶対、負けられん。

絶対、勝たなアカン。


ボクの大学バスケの集大成でもあるし、


何より



絶対、もう1回手に入れたい。

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