ウチとボク

□12話
1ページ/1ページ

フラフラとおぼつかない足取りで家に帰って、店の片付けをしとるオトンに


「ウチ、淳とダメになってもうたわ」


一言だけ告げた。


オトンは


「そうか、残念やったな」


ウチの頭をデッカイ手でグリグリしてくれて



その後、オカンの前でちょっとだけ泣いた。


「またステキな人が見つかったらエェな」


背中を撫でてくれて、またちょっと泣いた。



オトンもオカンもほとんど何も聞かんでくれて、正直ホンマに助かった。

あんな終わり方、意味わからんもんな。

オトンがヘラ持って淳にヤキ入れに行ってまうわ。





しばらくは落ち込んだし、もう恋なんてせぇへん〜なんて思っといたけど


高2のときに同じクラスの男の子が告白してくれて、付き合うた。


優しくておもろい人で、カラオケとかボーリングとか、いっぱい遊んだ。

プリクラのときは絶対変顔して、友達に配りまくって、いっぱいいっぱい笑った。



結局、3年の受験シーズンにうまくいかんくなって別れてもうたんやけど。


淳のこと忘れさせてくれて、ホンマに感謝しとる。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ