ウチとボク
□5話
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夏休みに帰省してきて、今日は予定も入ってへんし、何しようかなーって部屋でダラダラしといた。
チームメイトの大チャンが、帰省したら彼女と花火大会に行くってやたらウキウキしとって、その顔を思い出したらちょっと笑ってもーた。
大チャン、どんだけ楽しみやねん。
ゴールデンウィークに初めて会った大チャンの彼女。
大チャンのことが好きで好きでたまらん〜って顔しとる、可愛い子やった。
そんなことをぼんやり考えとる時、
頭の中で懐かしい顔が浮かんだ。ポン、って。
そしたらオッチャンのお好み焼きがメッチャ食べとうなって。
まあ、まさか名前チャンが店におるとは思えへんかったけど。
「いらっしゃいませー!」
オッチャンとオバチャンと、もう1人。
よう知っとる、懐かしい声。
そうか、夏休みやもんな、手伝いしとるんか。
ちょっとだけ話して、お好み焼き食べて、食べ終わったらすぐ帰った。
多分、名前チャンはあんまりボクの顔見たないと思うし。
でもな、ちょっとだけやったけど、話せて良かった。
時間が解決してくれたんかな…
ボクらを、幼馴染に戻してくれた。
『名前チャン』
『あっちゃん』
これがボクらの、今の距離。
「土屋はお盆何してた?」
「ん〜?大阪の友達に会うたり、お好み焼き食べたりしたよ」
「うお、大阪のお好み焼き食いてー!」
「またおいでや?案内したるよ」
「諸星はお盆…やっぱいいわ、おめーの話は聞きたくねえ」
「何だよ聞けよ!花火大会行った話とか!」
「大チャン、ラブラブでエェなあ」
大阪のお好み焼き、メッチャ美味しかったなあ。
メッチャ、好きやなあ。