[続]初恋cherry.(1〜77)

□29話
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「う〜〜〜〜」

もう唸らずにはいられない。

何でこんなことになったんだ。



「大チャンどないしたん?」

「う〜〜あ〜〜」

「オイ諸星!」

「うを〜〜〜〜」

「やべぇ、コイツ壊れてんぞ」

「…大チャン、咲季チャンと何かあったんちゃう?」

「お!とうとう咲季に振られたか!“アタシ、嫉妬深い男はキライなの”とか言って」

「あらら〜お気の毒やな〜」



「振られてねえよ!勝手に話を作るんじゃねえ!」

縁起でもねえこと言うな!


「何だ。違うのかよ」

「じゃあどないしたん?」


……これは多分、話すまで問い詰められるパターンだろうな…


「………咲季が、豊玉の南に告られたんだよ」


「豊玉の南って…あの南クン?」

「豊玉ならインハイで当たったぜ。つか何で南?」


土屋と三井はポカンとした表情をしている。

だろうな。俺だって訳わかんなくてポカンだっての。


「咲季と大学が一緒で、この間の飲み会で知り合ったらしい」

「ああ、この間お前がふてくされてた飲み会か」

「南クン、咲季チャンみたいな子が好みやったんやなぁ」

「でも咲季は断ったんだろ?」

「まだ。南が研修旅行に行ってて会えないんだと」

タイミング悪すぎだろ。


でも本当は咲季を南に会わせたくない。
いくら告白の返事とはいえ、俺の目の届かない時に2人で居てほしくないから。


「それで大チャンやきもきしとるんかあ」

「……はあぁ〜〜〜」




咲季には、“咲季のこと信じてるから大丈夫”なんてカッコつけて言ったものの、気になって仕方がない。

もちろん、咲季のことは信じてる。
信じてるんだけど……嫌なもんは嫌だ。


南の馬鹿野郎が。
人の彼女にチョッカイ出してんじゃねぇよ。



俺ってこんなにヤキモチ焼くんだな…

咲季と付き合ってからだ、こんなにヤキモチ焼くようになったのは。


咲季…早く断ってくれよな。

俺、嫉妬でおかしくなりそう。

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