[続]初恋cherry.(1〜77)

□28話
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『南くんに告白されたあ!?』



電話口でユッちゃんが絶叫する。

私は今日の出来事を思い返すと頭がパンクしそうで、すがるようにユッちゃんに電話をかけた。


『…う、うん』

『何でまたそんなことになったの?そもそも南くんと知り合いになってたの!?』

『その、実はね……』


私は、南さんと出会ったキッカケから今日までの出来事をユッちゃんに話した。



『なるほどね〜〜』

『何でなんだろう…全然わかんなくて……』

『うーん、ビビビっときちゃったんじゃない?』

『でも、何回かしか話したことないんだよ?』

『咲季だってさ、諸星くんと話したことないのに好きになってずっと片思いしてたでしょ?それと同じだよ』


『……そっか、、ちょっとだけわかった気がする…』


でも……


『でも、私、ちゃんと断らなきゃ』

『そうだね。それにしても南くん意外と強引なのね〜』

『うん、、ビックリしちゃった』

『諸星くんも心配してるだろうしさ、早めに言いなよ?』

『ユッちゃん、ありがとうね』




諸星くんは私のこと信じてるって言ってくれたけど、それでも心配させてしまっていると思う。

私が逆の立場だったらって考えると、不安で押しつぶされてしまいそうだから。


南さんに、ちゃんとお断りしなきゃ。




次の日、薬学部へ行った。


でも今日も南さんの姿はなくて。

というか、2年生が誰も居なかった。


慌てて近くに居た先生に聞くと、今日から薬学部の2年生は研修旅行に行ったと教えてくれた。

帰ってくるのは3日後で、次に大学に来るのは4日後らしい。


先生にお礼を言った後、その場に立ちつくす。


あと4日…

あと4日も諸星くんに不安な思いをさせなくちゃいけないんだ…



諸星くんにそのことを伝えたら、“それなら仕方ないよ”って言ってくれて。


でも、その優しさが逆に申し訳なさでいっぱいになった。



諸星くん、心配しないでね。

私は、諸星くんしか好きじゃないからね。

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