[続]初恋cherry.(1〜77)
□20話
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咲季が飲み会に行くらしい。
連絡がきたときは『行っておいで』って言ったものの、よくよく考えたら咲季が変な男にチョッカイ出される可能性もあるって気付いて。
咲季は優しいから、どんな人にも親切に接するだろうし。
勘違い野郎が現れてもおかしくはない。
だけど、いちいち口出しするのは余裕ないみたいで格好悪いから…特に何も言わないまま今日がきた。
夜、部活が終わって、着替えもソコソコに携帯を開く。
夕方に咲季からメールが届いていて。
『これから飲み会に行ってきます。
諸星くん部活頑張ってね(^-^)♪』
すぐに返事を打ち込む。
当たり障りのない文。
本当は、『男に気をつけて』『早く帰ってね』って打ちたい。
でも、俺の中のちっぽけなプライドが邪魔してできなかった。
「なあ、帰りにラーメン行かへん?」
「いいな、行こうぜ」
「………」
「…大チャン?」
「おい、諸星」
「…あっ!おう!お好み焼きな!行こうぜ」
「お好み焼きちゃうし〜ラーメンやで?」
「何ボーっとしてんだ?5月病かあ?」
「…いや、」
「何かあったん?」
こういうとき、土屋は鋭い。
「う……いや、」
「何なんだよ!辛気くせえな!さっさと言っちまえよ」
三井は短気。いつも通り。
「……絶対笑わねえ?」
めちゃくちゃ笑われる気がする。
すげえ格好悪いことって自分でもわかるから。
「笑わへんよ」
「笑わねえよ。さっさと言え」
本当かよ……
「…実は、な……」
「「あっはっはっはっ!」」
案の定土屋と三井は大爆笑。
「お前ら笑わねえって言っただろ!」
「あっはっはっ!だってよ、咲季が飲み会に行くって…そりゃ咲季だって大学生なんだから飲み会くれぇあんだろ!」
「しょうがねえだろ!男も一緒だって言うから心配なんだよ!」
クッソ〜〜やっぱり言うんじゃなかった…
「まあ、咲季チャン可愛いしなあ?優しいし」
「そんなに心配でふてくされるくらいなら最初から行くなって言えば良いじゃねえか」
「そんなの!心狭すぎるだろ!」
「でも実際狭いんやからしゃーないやん?」
「……っ」
土屋め…痛いトコ突きやがる。
別に咲季のこと疑ってるわけじゃない。
だって俺達すげえラブラブだし。
この間のゴールデンウイークは良かった……
例によって土屋と三井が家に押しかけてきてドンチャン騒ぎになったものの、夜はどうにか帰して咲季と2人の時間を楽しんだ。
もう、あれだ。ラブラブ。イチャイチャのラブラブで。
あ〜幸せだったな〜〜
おっと、話がそれた。
まあ、俺の考え過ぎなんだろうけど、、
ヤキモチです。はい。