[続]初恋cherry.(1〜77)

□14話
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花火が終わってから諸星くんのお家に行った。



「ただいまー」

「お邪魔します」


「咲季ちゃんいらっしゃ〜い!久しぶり〜!浴衣可愛いわねえ」

諸星くんのお母さんが迎えてくれた。

「こんばんは。お久しぶりです」

お母さん、相変わらず綺麗だなあ。

「ささ、上がって?」



リビングに通してもらうと、お父さんとお姉さんが居て。


「こんばんは」

ヤバイ、緊張して声が震える。


「こんばんは、大の父です」

「はっ、初めまして!川瀬咲季です。諸星くんにはいつもお世話になってます」


諸星くんのお父さん、すごく優しそう。
ていうか、諸星くんにそっくりだ。
前にお父さん似って言ってたもんね。


「咲季ちゃんいらっしゃ〜い!初めまして、大の姉です」

「お姉さん、初めまして」

「やーん可愛い〜!仲良くしてね?」

「はいっ、是非」


お姉さんはお母さん似だなあ。
仲良くなれたら嬉しいな。



「ま、うちの家族、こんな感じ」

「すごい…美形一家だね?」

「ははっ!何だそりゃ」


思ったことを素直に口にしたら、諸星家の皆さんに笑われてしまった。
だって、本当に皆さん美形だから。



「咲季ちゃんスイカ好き?」

「はい、大好きです」

「良かった。じゃあ切るわね〜」

「あっ、お手伝いします」

「いいのいいの!座ってて?」


それから皆でスイカを食べながらお喋りした。


『ねぇねぇ、大のどこが良いの?大めんどくさいでしょ?』

『お肌ピチピチ〜!何のケアしてるの?』

『今度ごはん食べに来てね?』


お母さんとお姉さんからの質問の嵐にタジタジだったけど、すごく良くしてくれて。




「母さんと姉ちゃんがゴメンな?質問攻めで」

諸星くん家からの帰り道、諸星くんが私に謝ってきて。

「ううん全然!仲良く話してくれて嬉しかった!」

「そっか、なら良かった。てかさ、この会話、俺が咲季の家族に会ったときもしたよな?その時と立場逆だけど」

「あっ、そういえばしたね?」

「どこの家も一緒だなあ〜」




私の家の前について、

「楽しかったね?送ってくれてありがとう」

「うん、また明日」


「「………」」


「「あのっ」」


同時に口を開いた。


「何?」

「ううん、諸星くんからどうぞ?」

「いいよ、咲季から言って?」

「いやっ……う、えっと……ね?」

「…もしかしたら、俺と同じことかも」

「えっ?……あっ」


諸星くんに腕を引かれて…


「合ってる?」

「…うん、、合ってる」


ギュッて、抱き締められた。



『もう、浴衣崩れても大丈夫だよって言いたくて…』

『俺も。もう浴衣崩れても大丈夫?って聞こうとしたの』



去年までは憂鬱だった夏。

大好きになりました。

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