[続]初恋cherry.(1〜77)

□5話
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4人で大学を出て、近くのファミレスに入った。


席につくと、何だか周りの視線を感じる気がする。

多分、彼らを見てるんだと思う。

諸星くんも土屋さんも三井さんも、長身で整った顔立ちで…すごく目立っているからつい見てしまうのも頷ける。


でも彼らはそんなのお構いなしで、『腹へったー』とか『ドリンクバーつけよ』とか口々に話している。


諸星くんは肘をついて

「俺は咲季の手料理が食いたかったのに…」

ってぼそぼそ言ってて。


「せやからボクらも大チャン家に行こかー言うたやん?」

「ぜってーやだ。そのまま居座る気だろ」

「そんなんせぇへんて」


「メシぐれぇでケチケチすんなよ、どうせ夜になったら2人でヨロシクすんだろーが…ぶっ!」

諸星くんのおしぼりが三井さんの顔にヒットした。

三井さん、何てこと言うんだ…


「なぁ咲季チャン?」

「はい」

「敬語やめへん?タメやろ?」

「あっ、はい。あ!えっと、うん」


土屋さんはクスクス笑って、

「大チャン、彼女メッチャ可愛いなぁ?」

「俺んだからチョッカイ出すなよ?」

目の前でそんな会話されたら、私、顔から火が出そうなんですけど…


「諸星な、普段お前の話ばっかりすんだぜ?小さくて可愛いだの、料理が上手だの、絶対嫁さんにす…ぶっ!」

三井さんの顔に、またおしぼりがヒットした。

「バカ、言うなよ」


ちょっともう、思考回路が停止しそうです……


「なぁ咲季チャン?」

「ん?」

「大チャン、えっち上手?」

「…っ!?!?!?」

「土屋!!!」


な、ななな、何てことを聞くんだ土屋さんは…

諸星くんも、この質問にはおしぼりを投げる余裕がなかったみたいで、何とも言えない表情をしている。

三井さんはお腹を抱えてゲラゲラ笑ってて。

私はもう思考回路が停止どころか、この場から逃げ出したいくらい恥ずかしい。


「あれ?この質問アカンかった?」

土屋さんはあっけらかんと言い放つ。


「土屋おめー空気読めねぇ奴だな。尊敬するわ」

「三井、お前も十分空気読めない奴だよ」

「ボク、三井クンには言われたないわ〜」



「…っ、ふふっ、あはは」



「あ〜!咲季チャン笑っとる!可愛いなあ〜」

「咲季!お前も俺が空気読めねぇと思ってんじゃねーだろーな!」

「三井!咲季を呼び捨てにすんな!」



「あははっ!ごめんなさ、ふふっ、おかし…」


3人共、何て自由なんだろう。

おかしくてたまらない。



諸星くんはこんな楽しい人達と普段過ごしてるんだと思うと、やっぱり彼には人を惹きつける何かがあるんだと感じて、なぜか私が嬉しくなった。

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