初恋cherry.(1〜32)
□1話
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いつか届くかな。
この気持ち。
誰にも負けないくらい
大好きなんだよ。
「はあ〜カッコイイ〜」
「まーた諸星くん見てんの?咲季は」
うっとりと渡り廊下を眺めていた私は親友のユッちゃんの声で我に返る。
「ちっ!違!…わないけど…」
「毎日毎日飽きないね〜そんなに好きなら告白しちゃえば良いのに」
「無理だよお〜!話したことないし、同じクラスになったことすらないんだよ?」
“告白”というフレーズに反応して顔がカァっと熱くなる。
こっ、告白なんて……会話したことすらないのにハードル高すぎるよ。
「いや、私に赤くなられてもさ。でもアドレス聞くくらいしても良いんじゃない?」
「そんな簡単に聞けたら2年以上も片想いしてませんっ!」
「だよねえ〜」
もう何度目になるんだろう、この会話。
私は1年生のときから諸星くんに片想いしている。
入学したばかりのときに初めて諸星くんを見た瞬間、ビビビってきたんだ。
稲妻が走るなんていうけど、まさにその通りで……全身が雷に打たれたみたいな衝撃だったことを今でもよく覚えてる。
この人が私の運命の人だって思った。
でも3年間1度も同じクラスにはなれなくて、内気な自分はただ諸星くんを見つめてるだけの毎日。
1年生の頃から背が高くてかっこよくて、バスケで有名な選手で、今では“愛知の星”なんて呼ばれてる。
そんなキラキラな諸星くんと普通の私。
釣り合わないってわかってる。
でも、好きなんだもん。