(Φ_ゝΦ)*(*бωб*)
□My Precious You!
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それは一目惚れだった。
「アメリカからの編入生のイ・テミン君だ。仲良くするように!!」
『仲良くするように』なんて先生が皆に言わなくても、こんな可愛い容姿の彼を、男子校のこいつらが放っておく訳がない。と俺は直感した。
まぁそれは俺も例外ではなく。その証拠として俺は彼が隣の席にきて、心底嬉しがっている。
「よろしくね。」
にこっと微笑んだ彼。周りに花畑が見えるぞ…。桃色のふっくらとした唇に病的に白い肌、だが頬は可愛らしくピンクに色づいている。ミルクティー色の肩まで伸びた髪の毛はまるで女の子のように柔らかい毛質だ。
「おう。俺はチェ・ミノ。よろしくな。」
「うん、よろしくねミノ君っ。」
あ、やばい。名前呼ばれただけで何故か鼻血が出そうだ。
「俺ジョンヒョン!!よろしくな!!」
「あ、よろしく!!ジョンヒョン君っ。」
げっ、俺の前からうるさいのが出てきた。
「いやー。テミンがいれば今年のミスコンは貰ったな!!」
「ミスコン…?何、それ?」
「ミスコンテストと、ミスターコンテスト。ちなみに去年、ミノヤ優勝候補だったんだけと…こいつ棄権しやがったんだよ。」
「えっ?ミノ君何で?」
「いや…、キュヒョニヒョンが優勝した方が幸せになれる気がした。」
そう。ミスターとミスの優勝者は、皆の無茶振りに答えなきゃいけないんだ。
例えば、『キスしろー!!』って言われたら強制的にさせられるし…。(ちなみに去年優勝したキュヒョニヒョンはミスのヒチョルヒョンにガチキスしてたけど。)
「んー?変なのミノ君っ。」
「(ぐほぉっ)」
何だ今のエンジェルスマイルはっ!!やばい、バックに翼が生えてらっしゃるぞこの子はっ!!
「丁度明日じゃなかったか?エントリーする奴決めんの。」
「へぇーっ。ミノ君頑張ってね。ミス。僕ミスターに出たいなっ」
「「えっ…。」」
「え?」
おいなんだ、この鈍感天使イ・テミンめ。(何かこの題名でアニメが一本できそうだ。)
「いやテミナ、こんな筋肉野郎がミスに出たら笑い者もいいとこだぜ?」
「筋肉野郎とか君に言われたくないな。」
「え?そうかな?」
「お前が。ミスに出るんだ☆」
「えっ…?」
テミン君フリーズ。
およそ11秒(ちゃんと数えましたけど何か)後、口を開いた。
「ぼ、僕…。あの…えと…。」
「お前とミノヤでミスとミスター出れば、うちのクラスは『京都旅行』と夏休み宿題免除どっちもイタダキだなっ!!」
「えっ!?京都旅行?」
京都という言葉の何故か反応したテミン。俺とジョンヒョンが『そう。京都旅行。』と声を揃えると
「先生!!僕ミスコンテストでますっ!!京都いきたい!!」
立ち上がって大声で先生に手をあげた。…おい。今がホームルーム中なことを忘れるなよ。
「…うん。それは分かったけど。テミン君ちゃんと僕の話聞いてた…?」
「あっ…ごめんなさい…。」
案の定、ジンギ先生からお叱りを受けたテミンは、皆から微笑まれながら席についた。(皆鼻のした伸びてるんですけど。)
「そんな京都いきたい?確かに日本っていいよな!!俺もいつかはシブヤに行きてえぜっ。」
ジョンヒョンが照れながら座るテミンに笑いかけた。
「ニホン!!サムライ!!ニンジャ!!チョンマゲー!!!僕サムライに会いたい!!」
再び勢いよく立ち上がったテミンがジンギ先生から呆れたような視線を受けたのは言うまでもない。(クラスメイトは気持ち悪いくらい顔が緩んでたけど)
こうして転校生テミンは、初日ですっかり人気者になった。
ついでに京都旅行に釣られてミスコンにエントリーするのだった。