スラムダンク
□Lesson,1
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放課後。
部活も終わって帰り支度をしようと部室に入った。今日の練習も正直キツかったけど辛さもない、むしろ楽しい。赤木はりきってるよなぁ、とか思いながら汗でべたべたになったシャツを脱いだ。
「センパイ」
聞きなれた声が俺を呼び止めた、淡々とした声で。あぁ、またか。そう思い振り返るとあいつは立っていた。
一年のくせにエースの座を持っていった男がたっていた。
「センパイ、1on1付き合ってくださいよ。」
ここ最近3日に一回ぐらいのペースで誘ってくる。そんなに俺としたいのか、そうか。まぁほか3人と俺は違うからな。こいつがいなかったら(後ブランクな)俺はエースなんだからな。
「なにニヤケてるんすか、センパイ」
「うるせー、人が服脱いだってのに勝負挑むなバカ。空気よめ!」
そういってやると、見るからに不満というか先輩に対して敬意のない目をしてると言うか…。こいつに尊敬の意がないっていうか、とにかくいい思いなんてしない目でみてくる。いや、見下してくる。
「お!!ミッチー喧嘩か?」
桜木がズカズカと割って入ってきた。相変わらず騒がしいが俺も人のことは言えないかもしれない。
「ルカワなんかコテンパンにやっちまえよミッチー!」
「どあほう」
ぎゃーぎゃーうるさい桜木の背中に流川の蹴りが一発入った。桜木は見事に前に倒れてお約束の喧嘩が始まった。
この喧嘩が終わるのを見届ける意味もねえし、なにより流川がしつこく勝負を挑んでくるのがうっとうしいから俺はさっさと着替えて部室を後にした。
体育館から離れて100m。赤木の怒鳴り声が聞こえてきた。ザマァミロ。
まぁ、あいつら二人仲良く今からフロア掃除は間違いねえな。
時計をみるといつもより40分近く早かった。
「久しぶりに鉄男とかに会いに行くか…。アイツら元気か」