君じゃなきゃダメなんだ。
□熱をもって熱を制す
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「もしかして、夜俺が歌ってあげてるときもこんな風になっているとか?」
俺はまた意地悪でそう聞いた。いつもみたいに可愛く反抗するのかと思いきや、ミニの目に溜まっていた涙があふれ出した。
「ミ、ミニ・・・?」
止まらない涙に焦って俺は手を止めた。
「ど、どうせ笑うんだろ!そうだよ、最近は僕おかしくって・・・ううぅ」
本格的に泣き出してしまった。それなのに俺は幸せな気持ちになる。恋人が泣いているというのに。
「ミニ・・ミニ。泣かないで?ミニがそれだけ俺でいっぱいになるんでしょう?俺は嬉しいです。それに、ミニをそういう風にしたのは俺なんですから、ミニは全然悪くないんです」
「僕がおかしいんじゃないの・・?」
「そうです。俺がミニにそうなってほしくてやったことなんですから」
そう言ってヒョンに笑いかける。するとヒョンの涙は止まり、代わりにふてくされた顔になる。
「僕、本気で悩んだんだから」
「はい」
「レコーディングの時だってキュヒョナのパートが流れただけでこうなっちゃうんだから」
「はい」
「責任とってよね」
そこまで言うと、ヒョンは俺の背中に手を回す。俺はそんなヒョンを愛しく思い、また「はい」、と応えた。