君じゃなきゃダメなんだ。
□その居場所は
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「あっ…はん、んっああ」
「ヒョン、もうすぐキュヒョナが帰ってくるよ」
「うん、だから…はやく、ね?」
その言葉を合図に乱れる声が大きくなり、その行為に一層激しさを増すのを感じた。
部屋で行われる淫らな行為のせいで、帰宅した俺は自室に入れず、踵を返してリビングにいることにした。
暫くテレビを観ていると、リビングのドアが開く。
「あ…キュヒョナ、帰ってたのか」
声の主はヒョクチェヒョンだった。ソンミニヒョンの相手でもある。
「ええ、どうしても観たい番組があったので観てたんです」
そう。録画までしているのだから強ち間違ったことは言っていない。俺の言葉にヒョンはホッとした様子で、キッチンの方に姿を消した。
どれくらいそうしていただろうか。帰りが遅いからと録画していた番組も結局全部観てしまい、テレビのデジタル表示では午前2時となっている。
もう遅いし、明日…いや今日は仕事もオフだからぐっすり寝てしまおう。
そうしてやっと俺はそこから立ち上がり、自室へと帰ったのだった。