短編

□流れる雲は、早すぎて
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いつの日か、こんな話をした
















「ねぇ、涼太」


「なんすか?真夏」


「私ね、雲になりたいの」

「は?」

呆れられた


「なんでっすか!!?」


「曇ってさ、のんびり、ただゆらゆらしてていいなぁ〜〜って」

「そりゃ、そうっすけど」

「流れがゆっくりだから何にも見逃さないでしょ?」

「そうっすけど・・・真夏が雲だったら、俺達会えないじゃないっすか」

「!!・・・・そうだったね」


「じゃぁ、いいや」

「いーんすか?」

「うん!私は涼太のそばにいたいから」

「!!も〜〜かわいすぎっす真夏は!!」


「きゃっっ!!きゅ、急に抱きつかないでよ!!」

「はなさないっすよ、ずっと!!」


「・・・うん!!」




















いつのことだかなんて覚えてないけど













私のそばに、君はいない



さみしくないと言えば嘘になる





涼太は・・今、どこにいるんだろう



いつも、思ってしまう


届かないのに、


あなたを思ってしまう


見つかるわけないのに、



探してしまう




「はは、私どんだけ涼太の事好きなんだろ・・・・」






もう、2年もたつというのに



「未練がましい・・・・」




あぁ、できることなら雲になりたい



空の上から、のんびり、ゆっくりと君を探したい




なのに・・・



神様はいじわるだ









私は空を見つめる
































流れる雲は、早すぎて



















あなたを探す事ができない

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