□Masked bitcH
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あの人は言った。

愛している、と。

ブランデーの香りに酔いながらだった
彼はきっと覚えてなんかいない。

あの時の私はカクテルと彼の言葉に酔いながら頬を染めていた。

でも彼が誓いの日を決めたのは次の日だった。

私は笑顔で祝った。
期待するのをやめた。






それから一年が経った







「おーい!名無しさん!」

「なにかしら?」

「ミッションだぞーっと…なんか、かんがえごとか?」

「…ぼーっとしてただけよ…。」

あぁ…彼はなにも思っていない。
罪悪感も、喪失感も…なにも。

「なんだよー…もうちょっと俺を頼れって」
そう言うとリンドウは微笑んだ。


やめて


その表情も視線も声も不快。
優しくだってされたくはないの。

「ほら、ちゃちゃっと片付けるわよ」
っとため息を一つついた。

「あら、リンドウ任務?」

「…っ……私先に行くから…。」

「…?…おう!」

あの女性は橘 サクヤ。
リンドウと誓い合った女の人だ。
私は……どんなに願ってもあの人にはなれない
一番じゃなくて良い、私にとってそんなことどうだってよかった。

任務開始場所ぼーっと空を仰いでいた。

「よっ、お待たせ!」

「おそい、早く行くわよ。」
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