魔法少女リリカルなのは〜蒼き騎士王列伝〜

□〜間話そのA 深淵の闇と白銀の百合〜
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数日後

―とある部屋―

???「う……うん……?」

不意に目を覚ます、銀色の長い髪をした、16歳くらいの少女

目の前に広がるのは知らない天井と部屋。

少女「ここは……一体?……」

???「気が付いたか?」

少女「!!?」

少女が声のする方を見ると、そこには、少女をあの研究施設から出した青年が椅子に座って少女を見つめていた。

???「まだ動かぬ方がいいぞ、何年もあのような所にいたのだ。体もまだ回復していない。」


少女「……貴方は一体?」

???「俺の名は、ナハトヴァール。かつて……闇の書の防御プログラムと呼ばれたものだ。」

少女「闇の書の……防御プログラム?」

青年=ナハトヴァールの言葉を聞き、少女は困惑した。

「闇の書」

ページが埋まれば主を取り込み、辺りを破壊して転生する。その被害者になった人々は数知れず、最凶最悪のロストロギアと呼ばれる存在。

少女「どうして……闇の書のプログラムがここに?」

ナハト「……ある御方によって、俺は救われ、俺は今その御方に仕えている。それと、お前をあの研究施設から救い出せと俺に命じたのもその御方だ。後で礼を言っておけ。」

少女「は、はい……あの……本当に貴方は闇の書の防御プログラムなんですか?」

ナハト「……なぜそう思う?」

少女「あの時、研究員を殺した時の貴方は、怖かった。わたし、ずっとあそこで人を何人も死なせていて……いつの日か感情がなかったはずだったのに、貴方が怖かった。」

ナハト「……」

少女「でも……あの時、わたしをあそこから出してくれた時の貴方は……怖くなかったんです。だから……」

ナハト「勘違いするな。」

少女「っ!?」

不意に、ナハトの纏う雰囲気が変わり、ナハトの目つきが変わる。それを見た少女は身震いした。それは、研究員を躊躇いなく殺した時に感じだものに似ていたからだ。

ナハト「貴様に俺の何が分かる?貴様の尺度で勝手に俺を語るな。俺は命を受けて貴様を連れ出した、それだけだ。」

ナハトはそう吐き捨てると、「さっさと寝ていろ。」と言って部屋を後にする。

少女「……闇の書の……防衛プログラム……ナハトヴァール。」

少女は、未だ何か思い悩むように、ナハトが出て行ったドアを見つめていた。●●
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