魔法少女リリカルなのは〜蒼き騎士王列伝〜

□〜第五話 幾星霜の理想郷〜
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数日後



―アリサSIDE―

アタシ達は転移魔法を使い、アルトリアに言われた破壊対象となる違法研究所を発見した。この手で研究員たちを地獄に送るまで、後数分と数秒だ。

アリサ「すずか・・・・アタシはまた、人を殺しちゃうわね。」

すずか「アリサちゃん・・・・」

アリサ「あの研究所の中じゃ、「あの子」と同じように生み出されて、死んでいく人造魔導師の子供達がいっぱいいる。それを勝手に踏みにじるような連中は・・・・誰一人として許しはしないわ・・・・」

アタシは両手を強く握りしめている。そんなアタシの手に優しくすずかの手が触れた。

すずか「アリサちゃん、このことに怒っているのはアリサちゃんだけじゃないよ。私や、みんなが管理局のやり方に反感を持っているんだから。だから……一人で抱え込まないで。」

そう優しくすずかはアタシに語りかけてくる。そうね、アタシの周りにいるのは志を同じくして立ち上がった仲間達だ。アタシは……一人じゃないんだ。

アリサ「さて、行きますか。子供達の命を弄んでいる奴らを地獄に送りにね!」

アタシの言葉にすずか、守護天使、ナハトは一斉に頷いて研究所へと向かう。

そして、アタシ達は研究所を跡形もなく破壊し、無事に子供達を救出することに成功したのだった。






同時刻

〜聖王教会・一室〜

その部屋では聖王であるオリヴィエと、教会の最高責任者である教皇が話し合っていた。

教皇「・・・・・酷いものだ。まさか、此処まで管理局が腐っていたとは。」

オリヴィエから渡されたデータを見終えた教皇は、悲痛な面持ちを浮かべながら呟く。

教皇「管理局の言葉など信じるべきでは無かった!この様な非道を見す見す見逃してしまうとは!教会の者として恥ずかしい!」

オリヴィエ「だからこそ、お願いします。この様な非道を二度と起こさない為に、そして次元世界を救う為にどうか、ご協力を。」

教皇の言葉にオリヴィエは頭を下げながら言い、教皇は驚いてしまう。

教皇「聖王陛下、どうか頭をお上げください!貴女様は……」

オリヴィエ「聖王だからなど関係ありません。私は、時空管理局から罪の無い人々を、幼い子供達の命を救い、平和な世界を作る為ならば、王としての自らの立場も捨てます。」

教皇「!!」

頭を下げたままそう宣言するオリヴィエの姿に、教皇は言葉を失い、そして感服した。

教皇「(最初は本当にオリヴィエ・ゼーゲブレヒト様かどうか疑ってしまったが……間違いない。この御方は紛れもなく聖王陛下だ!!)」

教皇はそう確信すると、頭を下げたままのオリヴィエに話し掛ける。

教皇「オリヴィエ聖王陛下。全面的に我々教会は騎士王陛下と聖王陛下を支援いたします。そして各管理世界には私の方から説明いたします。それがせめてもの償いだ。ですからどうか、頭をお上げください。」

オリヴィエ「……ありがとうございます。」

オリヴィエはその言葉に、もう一度教皇に頭を下げお礼を言うのであった。
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