Heresy Doll

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先ほどの少女が大広間に連れ戻され、全員が私を見据えている

当たり前なのは分かるが・・・・・・、見つめすぎではないだろうか



「さて、話してもらうぞ」

『・・・・・・はー・・・・・・これから話すことは、全て事実であり、真実です』

「・・・君、なんなの?場合によっては斬っちゃうから」

『(・・・・・・うわー・・・いい笑顔)・・・はい』



人懐っこい笑顔でS発言をしている彼をおいといて、話を進める

とりあえず、何から話そう・・・・・・。


『・・・・・・私は、神崎煉といいます

この国には特殊な能力を持った一族がいて、その中の一人です』

「・・・・・・本当だな?」

『はい、ですがその一族は内部の抗争で倒れ

今では私しか生き残りはいないとされていました

しかし、この地で能力を持った人間がいる、という噂を聞き、

やってきたところをあの者たちと出くわしたんです』


「・・・・・・・・・」



はい、ぜーんぶ嘘でーす!←

名前以外全部嘘!私、本書けるかも!


だって

こことは違う世界からやってきましたー

そこでは戦争をしていて、その不慮の事故でここに転送されてしまったんですー

なんて話した日には、きっとずたぼろの雑巾みたくコケにされるに決まってる

それに、まだ信じていない人間に、本当のことなんか話すわけにはいかない

とっさの判断とはいえ、結構筋の通った話じゃないか?



「能力ってなんだよ」

『・・・・・・それは・・・』

「見せてくれんだろうな?そこまで言うんじゃ」


先ほどの少年と、大人な雰囲気の男がそう挑発してきた

や、見せられないこともないが、超電磁砲とか・・・は出来ないだろう

そう思って、一部には一度見せた空間移動を使うことにした

太ももにさしてある鉄針を二本抜き、それを自分の前に持ってくる

武器を持っていたことに驚いたのか、拘束をした人は目を見開いている

全員に見えるように掲げ、見せろと言った二人の足元に移動させた


ヒュ、という音と共に消えた鉄針、そして自分の足元に刺さっているそれら

それを見て、青ざめたり驚愕したり、と反応は様々だった



「・・・・・・え、えちょ、・・・」

『・・・・・・この他にもありますが、ここでは出来ないのでまた』

「・・・・・・・・・あ、ああ・・・」



能力云々を嘘だと思っていた人も少なくないようだ

未だに信じられない、という顔をしている人もいた

それを見た副長さんは確認だが、という声を発する



「・・・・・・うちの隊士を殺したのは、それか?」

『・・・そうです』

「それは人間も刺せるっつうことだな?」

『・・・・・・はい』



難しい顔をして黙り込む新選組

少女は不安そうにそれを見ている

私は、鉄針を回収して、定位置に戻った



『・・・・・・・・・これだけは、言っておきたいんですけど』

「・・・なんだ」

『・・・私は、あなた方に害をなすようなことはしません

・・・・・・・・・・・・口ではなんとでも言えますけどね』



それを聞いた近藤という人は、決意したように隣を見た


「・・・・・・トシ、神崎くんは隊士になってもらわないか?」

「なっ、近藤さん!?」

「・・・彼女は強い、能力を使ったら我々新選組の即戦力にもなりえる

ここは一つ、頼めないか?・・・なあ!神崎くん!」

『・・・・・・え、私は・・・死なないですめれば何でも・・・』



満面の笑みでそう言った近藤さんの計らいで、私は隊士として新選組3番組に留まることになった

昨晩救った少女・・・雪村千鶴もまた、土方さんの小姓として新選組預かりとなる
















偽りのバラッド


(運命は、)(廻り出す)

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