紅いくつ

□憑物
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人気のないひっそりとした校舎裏。


そこに、"それ"はいた。






とーりゃんせ


とーりゃんせ



こーこはどーこの細道じゃ



・・・・・・フフフフッ



『・・・・・・そこで何をしているの?』



・・・くすくすくすッ



赤いスカートをはいた少女。


外見は花子さんに似ているが少し違う。



第一、花子さんはトイレの妖怪だったはずだ。



『・・・・・・貴方は誰?』


・・・・・・貴方は誰?




はあ、聞く気ゼロだな。




『貴方のその声は、聞こえるだけの人に危害を加える』



・・・・・・・・・・・・



『だから、すぐにここから立ち去れ』


優しく言ったつもりだったが、最後は命令口調になってしまった。


こういう性格なんだ、許してもらいたい。



・・・・・・・・・・・・クスクスッ



少女は笑うとその姿を消した。


どうやら聞き入れてもらえたようだ。



『・・・・・・余計な体力使わずにすんだか・・・』



そういってホッとした私は教室に戻る。



すると、別の場所で違う気配がした。


それは先ほどの少女のものと似ていて、少し違うモノ。




『・・・・・・・・・・・・、はあ・・・』



そこは多分、あのテニス部が昼飯を食べているであろう屋上。




『・・・・・・憂鬱だ』




仕方なし、という顔で私は屋上へと急いだ。









屋上に辿り着くと、ドアの前からでも分かるほどの殺気。


テニス部員に聞こえるヤツでもいたのか?



とりあえずこのままではまずいため扉を蹴散らした。





バアンッ


「「っ!?」」



尻餅をついているのが2人、立っているのが5人だ。


そしてそいつらを追い詰めるようにいるのは先ほどの少女。

少女の足元には倒れている赤髪の少年が一人。



憑いたか。



『・・・聞き入れたんじゃ、なかったのかな?』




・・・・・・クスクスッ




『・・・・・・なら、仕方ないな』


念のため塩を口に含み、持っていた清水で流し込む。

そしていつも持参している呪符を取り出し少女の足元に向かって飛ばした。


堕ちたところに五芒星が現れる。



・・・・・・ッ!



少女は一瞬のうちに顔を歪め、その場から離れようとする。

が、その五芒星は結界の役目を果たしているため外には出られない。


それを確認し、もう一度問うた。











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