一なる元素とは

□嫌い
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「ったく、可愛げのねえ奴」

と言われればその通りで何も言えない。





「私だって可愛げのある人になりたいですよ」
気付けばそう漏らしていた。
ふとした瞬間に言ってしまった言葉に後々気付いて口を押さえるがもう遅い。


驚いた顔をした賢木はすぐにニヤリと笑って見せる。

その笑みは全てを見透かした感じに見え改めて私はこの賢木修二、という男が苦手だと感じた瞬間だった。



「…先輩。私、先輩のこと嫌いです」






「嫌いなのかよっ!好きとか言えば告白っぽかったのによ!!」


「そう言うこと考えている余裕があるところが更に嫌いです」



「ほんっと可愛げのない奴だなっ!!皆本と同じ扱いしろよな!」



「私、賢木さんの事が嫌い」


「それもそれで嫌だなっ!!」









私は思った事を素直に言えない。











だからB.A.B.E.Lに働き始めて紫穂ちゃんや先輩とかちゃんと思った事を知ってくれる人がいてくれて嬉しかった。






こんなこと恥ずかしくて言えませんけどね?











『なぁ、今更だけどさ。その"賢木先輩"ってのやめね?』

『…皆本さんを殴った女たらしの賢木さん?』

『却下!!お前、俺の心を抉る気か!!』

『そんなことしてませんよ。…で、何て呼べばいいんですか?』


『うーん。名前で呼んで良いんじゃね?』

『…努力します』






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