一なる元素とは

□違和感
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楪那と会わない期間は兵部にとって何とも言えない日々だった。

会わない日は身体に異常も無く以前通りに過ごしせた。
しかし、会わない日が続くとそれはそれで変な症状が現れ始めた。


気付けば楪那を探していたり
楪那に途轍もなく会いたくなってしまう。会っても話す事が無いのに会いたくなる。
最終的には部屋にまで押し掛けるという行動にまで出てしまった。



ある意味、とても奇妙な病気にかかった兵部はその病を完治させるべく楪那に直接聞こう、そう思った訳である。


しかし、桃太郎と葉によって聞けずにいた。
兵部の部屋に1人と1匹は呼ばれた。




「てか、ジ…少佐は何でまた態々、辛いことをしてんスか?」
ジジィ、そう言いかければギロリ、と睨まれて言い直す葉。
その疑問に頷いて桃太郎も聞いてきた。

「手下ニ気ヲ利カセテヤッタノニナンデダ??」
誰が手下だ?そう桃太郎に怒ったあとに兵部は溜息をついた。





「会うと会うで辛いんだけど会わないと会わないでそれも辛いんだ」
胸を押さえて言う様はまさに





「恋スル乙女ミタイダゾ?」










「少佐ー。楪那に恋でもしてんスか??」
冗談で言った言葉。

「はははー。葉、僕にそんな冗談言うなよー?」
勿論、当り前の言葉。



「キョースケ、ろりこんダカラワカン…キッ!?」
そんなふざけた事を言う桃太郎を握り潰す勢いで握る兵部。




ふぅ、そう息をついて
「ま、そう言う訳だから変な気遣いはしなくても良い」
じゃ、行け。
「何がそういう訳なんだよっ!意味不明…」と言う葉や桃太郎を瞬間移動でさっさと追い出してしまう兵部。










兵部の部屋はとても静かになった。









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