一なる元素とは
□眠い
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「ふわあ…、」
いつも通り寝起きには間抜けな声。
腕を天井に伸ばして伸びをするともう1つ間抜けな声を発した。
そろそろ夕食でも…、そう思い布団から出れば気付く異和感。
部屋の間取りは変わらないのだが部屋に置いてあるものの1つ1つが違う。
布団だと思って退かしたものは黒の学ラン。
「え?え??私、どうしてこんな事に…っ?」
ぽわわっとしている脳をフル回転させて思い出す楪那。
皆本達に会って
ちょっと戦闘しちゃって
疲れて兵部に会って瞬間移動して――
それからの記憶が無い。
ただ、P.A.N.D.R.Aのアジトが見えた時から眠気が襲ってきた感覚があったのは覚えている。
どこか見た事のある…部屋ではあるのだが、新人であるがためか何処だかど忘れしている。
「んー?」
そう声に出して考えても思い出さない。
結局、空腹で御腹がなった為、ご飯を食べに行く事にした。
そのすぐ後、その部屋に入ってきたのは兵部。
「…楪那、は行ったかい?」
「オウ。デモ、何デ京介ハ楪那ヲ避ケテルンダ?」
「…それが何か分からないんだよ」
あるとすれば楪那を見ると身体の調子がよくないんだ。そう付け足して桃太郎に話す兵部の顔は真剣だった。
「オマエ、大丈夫カ?」
そんな表情を見てか桃太郎も少し心配している。
「いや、調子が悪いといっても動悸が激しかったり胸を締め付けられたり、だからね。多分、大丈夫だ」
「ソウカ。歳ダモンナ。京介」
「うるさいぞ!げっ歯類!!」
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