一なる元素とは
□P.A.N.D.R.A
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「…うぅー」
ぼふんっ、と皆本宅のソファに飛び込めば普段なら家主の皆本に大人なんだから、と注意されるのだが今はこの家に誰もいない。
原因は楪那の催眠能力だ。
2日前、不二子に言われた通り思いっきり皆本に催眠をかけた事により皆本は昏睡状態になってしまった。
その夜はチルドレンは柏木さんに頼んで楪那は賢木や不二子と一緒に皆本を診ていた。
『楪那ちゃんは穴のない催眠をかけたみたいね…』
『えぇ。だから外からはいることは一切不可。でも、深いって訳でもないんで何日かすれば自然と解けると思います』
そう賢木と不二子が話しているのを聞いてとても申し訳なくなっていた楪那。
次の日、局長が紫穂によって透視されてしまい3人で突入されてしまった。
なんで皆本が倒れ込んだかも知られてしまった。
『楪那はん!皆本はんが起きなかったらどないすんねん!』
『いくらばーちゃんが思いっきしやれ−、っとか言ったからってさー。』
『そうね。責任、どうするつもり?』
と攻め続けられた。
賢木が止めに入れば壁に埋め込まれてしまい本当に色々な人に迷惑をかけてしまった。
そんなこと考えてしまうと視界が歪んで鼻もツンと感じた。
『…ちょっと…出てきます』
そう言って駆けてしまった。
近くの公園のベンチでどのくらい泣いただろう。
自分だってこんな風になるだなんて思っていなかった。
自分のこの能力の所為で誰かを傷つけてしまった。
自分の能力なんてなくなってしまえば良いのに。
自分なんかいなくなってしまえば良いのに――
どんどん悪い方向に考えてしまい涙は酷くなる一方。
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