一なる元素とは
□嫌い
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目の前には賢木と女性2人。
楪那はその光景を覗き見していた。
「修二!この女は誰よ!?」
「いやこいつは…」
と黙る賢木。
その姿を見てもう1人の女が甲高い声で叫ぶ。
「私は修二の彼女よ!」
と。
あとは簡単。
ゲームで言うBAD END
ッパァーン!―――
と音が響けばズカズカと歩いて行く女性2人。
賢木は叩かれた様子。
相変わらずだな、と呆れる楪那。
そして唐突にわいてくる悪戯心。
どうせなら、もう少しいじめてやろう、と
楪那は気付かれないように賢木の後ろに立てば低い声で
「修二…さっきの女、誰?」
と聞いた。
そうすれば彼をビクッと揺らし急いで振り返り言い訳を言う賢木。
仕事場の同僚、との言い訳に心中で突っ込む楪那。
言い訳まで私に言う必要などないのに…、と呟けばやっと気付いたかのように賢木は指を指して叫んだ。
「どあ−っ!!?楪那ちゃんかよ!てっきり恵子かと…あっ!!」
わざわざ、ばらした賢木に溜息をつく楪那に賢木は「先輩をからかうな!」と言う。
「…先輩…、三股、ですか…」
「言うなっ!!頼む!黙っていてくれ!!」
と先輩に頼みこまれる後輩。
「別に言いませんけど…」
と言った時の賢木の助かった!とでも言いたげな目は凄かった。
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