一なる元素とは

□嫌い
1ページ/3ページ



目の前には賢木と女性2人。
楪那はその光景を覗き見していた。


「修二!この女は誰よ!?」

「いやこいつは…」

と黙る賢木。
その姿を見てもう1人の女が甲高い声で叫ぶ。

「私は修二の彼女よ!」
と。

あとは簡単。
ゲームで言うBAD END

ッパァーン!―――

と音が響けばズカズカと歩いて行く女性2人。
賢木は叩かれた様子。



相変わらずだな、と呆れる楪那。





そして唐突にわいてくる悪戯心。
どうせなら、もう少しいじめてやろう、と



楪那は気付かれないように賢木の後ろに立てば低い声で

「修二…さっきの女、誰?」

と聞いた。


そうすれば彼をビクッと揺らし急いで振り返り言い訳を言う賢木。

仕事場の同僚、との言い訳に心中で突っ込む楪那。




言い訳まで私に言う必要などないのに…、と呟けばやっと気付いたかのように賢木は指を指して叫んだ。

「どあ−っ!!?楪那ちゃんかよ!てっきり恵子かと…あっ!!」


わざわざ、ばらした賢木に溜息をつく楪那に賢木は「先輩をからかうな!」と言う。



「…先輩…、三股、ですか…」

「言うなっ!!頼む!黙っていてくれ!!」


と先輩に頼みこまれる後輩。








「別に言いませんけど…」

と言った時の賢木の助かった!とでも言いたげな目は凄かった。




.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ