浮気なボーイ
□事件file5
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ベポくんに無理やり抱えられて連れてこられた場所は、予想道理の場所だった。
そしてそこにいるのも予想していた人物
黄色い潜水艦の前の大きめの岩に腰掛ける隈男と、隣には始めてみる男。帽子にはpenguinと書いてある。やっぱり海賊ってものは変わり者が多いらしい。
「ごめんね、手荒な真似しちゃって…」
ゆっくり私を降ろすベポくん
「…なんのつもりよ、隈男」
私が不機嫌そうにそう言えば、隣で焦り出すベポくん。
「くくっ…やっぱり気が強ェ女だ。だが、嫌いじゃねェ。取り繕ってる女を見るよりかは随分気分が良い」
「アンタに褒められたって全然嬉しくない」
「ふっ…そうか」
きっとシャチのことで私を呼び出したに違いないのに、一向に話を進めない隈男に腹が立つ。
「…シャチのこと、でしょう?」
そう言えば、更に面白そうに頬を上げる。
「あァ」
「…只の幼なじみが、いちいち煩いって思ってるでしょ」
「…」
「でも、でもね…シャチは私にとっては、家族も同然の人なの…!」
好きだけど、好きじゃない
家族愛なのか、正直自分でもよく分からない
理解されにくい、関係だと思うけれど
危険な目に合う彼を、見たくない
守りたい
守らなきゃ
『ゆーびきーりげーんまん!』
『フフフ、針なんて飲まなくても良いのよ。』
懐かしい記憶が、今もまだ鮮やかに脳裏に浮かぶから