浮気なボーイ
□事件file4
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「…」
「こんにちはー!」
玄関の扉を開ければ、そこにいたのはふわふわの白いくま。
それだけでもかなり異様な光景なのに、このくま二足歩行かつ喋れると
きたのだ。
なに?どうゆうリアクションを求めているの?
私がぐるぐると悩んでいる間に白くまさんはずかずかと家に入ってきてちゃっかりとソファに座っている。
「…えーと…」
「あ、ボク別にジュースとかいらないよ!果汁100%のジュースとか、いらないから気にしないでね!」
あ、果汁100%のジュースが飲みたいのね。
あったあったよ、多分冷蔵庫に。
冷蔵庫から100%オレンジジュースを取り出してコップに注いでいると、瞳をきらきらさせて見つめてくる白くまさん。
「あー、えと、これあなたのだから、ちょっと待ってね。オレンジジュースでよかった?」
「うん!わぁ!ありがとう!!あ!ぼく、ベポっていうんだ!よろしくね」
白くまさん改めベポくんの目の前にジュースを置いて向かいに座る。
コクコクと美味しそうにジュースを飲むベポくん。
うむ。なんちゅー癒し系だ。
「あーと、ベポくん?」
「なぁにー?」
このまま黙っていたらずっとジュースを飲んでいるだろうと思って、こちらから話をふってみた。
「ベポくんは、何でここにいるのかな?」
「え?あぁ!そうそう!キャプテンから連れてこいって言われてたんだった!」
ちょっと待ってねと言って、残りのジュースを一気に飲み干すベポくん。
キャプテン?連れてこい?
うん?なんか嫌な予感しかしない…
「ね、ねぇねぇベポくんっ?ちょっと待っ…っえ?!」
私が全て言い終える前にがばりと捕まれた
そして視点が一回転
これは私、攫われてるのか?!
…攫われてるんだ!
「やっ!ちょっ!?ベポくん?!!」
ちょっ…コイツ絶対隈男の仲間だ!
可愛い顔に騙された!!!!
「っーー!シャーーーーーチッ!!!助けてぇぇぇ!!」