電子の歌姫が三次元に来るそうですよっ?!
□レンの暴走
2ページ/2ページ
兄貴…優の部屋に入るのは久々だった。
萌えキャラの女の子のポスターや抱き枕や布団シーツを眺めながらオンラインゲームに夢中の優の元へと歩く。
ビクビクしているレンも一緒に。
優の肩をトントンと叩く。
優
「名無しさんが俺の部屋来るなんて久しぶりじゃね?」
パソコンから手を離すと名無しさんに振り返る。
名無しさん
「そうだね。ねぇ、機械触るの好きだったよね?」
優
「おう、どうかしたか?」
優は名無しさんの後ろに隠れるレンをチラッと見た。
名無しさん
「レンが故障しちゃったらしくて、直してほしいんだ。」
名無しさんは隠れているレンの腕を掴むと優の前に出させた。
レン
「ふええ…?」
優
「ちょっと待てよ!無理だっつーの。こんな高性能なロボット、俺がどうこう出来る問題じゃねぇよ!」
優は焦りながら言った。
名無しさんは黙り込む。
優
「そういうのは、こいつ等を買った会社に頼むべきじゃねーのか?」
名無しさん
「そういえば、宛先が書いてなかったな…。」
優
「へ? じゃあ荷物送れねーはずだぜ?捨てちまったんじゃねーの?」
名無しさん
「いや、確かに相手の宛先は載ってなかった。」
優は不思議そうに首を傾げた。
名無しさん
「直せないから少し様子をみるから、じゃあ。」
名無しさんはレンを連れて部屋を出た。
優はまたパソコンに向き直るとオンラインゲームの続きを開始した。