電子の歌姫が三次元に来るそうですよっ?!
□始まりの歌
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あたしはパソコンをいじりながら、お菓子を食べていた。
と、その時。
ドタドタと廊下を走ってくる音がして、あたしは鏡音姉弟だなと思いドアに目を向けた。
ガチャ
勢いよくドアを開けて驚いた顔であたしを見ていたのは…
「なぁ!アレどういう事だよ?!」
あたしの、馬鹿兄貴だ。
ミク
「誰ですか?」
「うおっ!!此処にも1人!これって、ボーカロイドだろ?なんだよ、クオリティー高ェコスプレかよ?!」
あたしの兄貴、優も引きこもり、ヲタク、ニート。
18歳だ。
名無しさん
「見りゃ分かるでしょ、ミクだよ。」
ミク
「マスター♡名前で呼んでくれましたね♪」
スリスリくっついてくるミク。
ものすごく、鬱陶しい。
優
「まじ…かよ…?」
ドアの所で座り込む兄貴に目を向けて、
名無しさん
「せっかくの涼しい風が逃げるでしょ。入るか出るかどっちかにしてドア閉めてくれない?」
ミクを押し退けると、パソコンに向き直った。
優
「じゃああの…鏡音リンと鏡音レンも本物かよ?!」
素直に部屋に入るとドアを閉める兄貴。
名無しさん
「本物だってさー。」
怠そうに返答するあたし。
すると、ガチャ、と今度こそあの双子が入ってきた。
リン
「あー、この男!」
レン
「さっきはよくも俺の髪の毛をいじくりまわしてくれたね!」
優
「鏡音双子!」
名無しさん
「鏡音リン・レン、それあたしの兄貴。」
リン・レン
「マスターのお兄さん?」
優
「どうなってんだよ、これ!」
兄貴は部屋を出ると落ちるように階段を降りて行った。
ミク
「名無しさん、お兄さんは大丈夫なの?」
名無しさん
「うん、大丈夫でしょ。つか名前で呼ぶな、ミク。」
リン
「あー!マスター、ミク姉だけ名前で呼んでる!私もリンって呼んでよ!」
レン
「俺だって!」
名無しさん
「わかったわかった。リン・レン、歌の練習して。」
リン・レン
「はーい♪」
名無しさん
(超最先端技術のロボットのくせに、頭だけは単純お馬鹿…。)