七人隊〜蛮骨の恋唄〜

□帰郷
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沈黙の中、蛇骨は抱きしめた姫莉を離した。


蛇骨
「女なんて嫌いだったのによぉ。」

蛇骨はポツリと呟いた。


姫莉
「…蛇骨。」

蛇骨
「俺って馬鹿だなぁ…。」

そう言うと歩き出した。

姫莉もついていく。


姫莉
「あのさ、つまりあたしの事好きって事?」

蛇骨
「そうだぜ。」

蛇骨はさらりと言った。

姫莉
「………。」

そのまま二人は無言で隣の村で酒を買って帰った。


姫莉
「帰ったよ。」

中でドカリと座っていた蛮骨が姫莉の方を向いて手招きした。

蛮骨
「姫莉、来いよ。」

蛮骨は大兄貴らしくあぐらをかいて、姫莉を呼んだ。

姫莉は酒を持って蛮骨の元へ行く。

その姿をどこか寂しげな目で蛇骨か見ていた事を誰も知らない。


蛮骨
「どうしたんだよ?来いよ。」

姫莉
「ひざの上は、は、恥ずかしいよ!」

蛮骨
「いいから来いって。」

蛮骨は姫莉の腕を掴んで引っ張る。

姫莉
「わっ!」

姫莉はそのまま蛮骨のひざの上に倒れかかった。

蛮骨
「姫莉、酌してくれ。」

姫莉
「もぉ!」

怒りながらも姫莉は蛮骨に酌をする。

蛮骨
「おう、蛇骨。お前も呑もぉぜ!」

蛇骨
「俺はいいやぁ。疲れたし、休むよ。」

そう言うと蛇骨は自室に戻った。

蛮骨
「あいつ、めずらしいなぁ…。」

姫莉は蛇骨をただただ見つめていた。
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